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目指せ蛍の光 “つい帰宅したくなる”新曲、USENが制作背景に意外な心理メカニズム(3/3 ページ)

» 2019年02月21日 15時30分 公開
[服部良祐ITmedia]
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働き方改革に商機

 新曲は既に丹青社や富士通で試験的に流されており、この曲の後に改めて蛍の光や家路を流すなど、想定外の使われ方をされるケースもあったという。曲配信の売り込みを担当するUSEN ICT Solutionsの野村大河さんは「顧客企業には『働き方改革』というフレーズが(販売する上で)特に刺さる」と説明する。

 残業削減が叫ばれる中、定時になると職場の照明やPCを強制的に切るといった少し強引な施策を取る企業は少なくない。一方で隠れて残業する従業員も後を絶たない中、USENの新曲は無理やりでなく自然と彼らの心理に帰宅を促す取り組みとしても、注目を集めそうだ。

 ただ、同社によるとこの曲はあくまで音楽配信サービスを利用している企業の職場向け。今のところ一般公開の予定はないが、問い合わせに応じて音源サンプルなどを送るという。さすがに蛍の光のように定着するまでには時間がかかるとみるが、「今回の研究を機に、聴く人の気持ちに影響する音楽の作り方を解き明かしたい」(増根さん)としている。

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