#SHIFT

「東大博士の起業家」ジーンクエスト高橋祥子が考える“ポスト平成の働き方”「平成育ちの起業家」の肖像(5/6 ページ)

» 2019年02月27日 06時15分 公開
[大宮冬洋ITmedia]

研究者の働き方が変わる

――すみません、高橋さんが、何が分からないのかが僕には分かりません(笑)。最後に、後輩の若手研究者へのアドバイスをお願いします。起業はお勧めできますか?

 現在の研究者の働き方は多様化せざるを得ません。90年代の大学院重点化政策の影響で大学院生は増えましたが、大学や企業のポストが足りないからです。いわゆるポスドク問題ですね。

 これからの研究者は、大学や大企業以外の選択肢を自分で作っていかなければなりません。(キャリアの)思考停止はできない時代であることをまずは認識する必要があります。

 一方で、起業は明らかにしやすくなっています。お金がなくても会社を登記できますし、資金調達環境はすごくいい。資金の供給量に比べてベンチャー企業の数が足りていない状態です。私が起業した5年前だと10億円集めると「すごい」なんて言われていましたが、今は数十億円の資金調達が当たり前。自分がやりたいことがある人にとっては良い時代だと思います。

 自分なりの選択肢を作るために大切なのは、一歩踏み出す先への視点を持つこと。学内や社内、業界内といった狭い枠組みではなく、もっと広い社会と市場に目を向けて、その中で自分はどんな価値を提供できるのかを考えると良いと思います。

phot
phot ジーンクエストでの解析作業の様子
phot

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.