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» 2019年02月27日 06時15分 公開

「平成育ちの起業家」の肖像:「東大博士の起業家」ジーンクエスト高橋祥子が考える“ポスト平成の働き方” (6/6)

[大宮冬洋,ITmedia]
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「外の世界」でチャンスをつかめ!

 以上が高橋さんのインタビュー内容だ。愛想がいいタイプではなく終始クールな印象の高橋さんが「一人ではなく、チームで動いて結果を出していきたい」と言い切ったことが意外だった。

 しかし、思い返してみると、睡眠時間をグーグルカレンダーに予約していることや映画を楽しめない話などは、他人から「ロボットみたい」と突っ込まれることを想定した発言としか思えない。高橋さんは自分の偏りや欠点を認識して明らかにし、周囲に笑ってもらいながら補完されるのを望んでいる気がした。それによってチームとして大きな成果が出せることを分かっているのだろう。厳しくも温かい家庭で育てられたかけがえのない経験が人間の善意と能力を信じることに直結しているのだと筆者は思う。

 後輩である平成生まれの研究者たちへのアドバイスも優しさにあふれていると感じた。既存の大学や大企業のポストを確保できなくても悲観する必要はないのだ。むしろ、外の世界にもっと大きなチャンスがあり、活躍できることも少なくない。若い頃のチャレンジにリスクなどはない。ポスト平成の働き方はもっと自由に柔軟なものになっていくのだろう。高橋さんはそれを気負いなく合理的に体現している。

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著者プロフィール

大宮冬洋(おおみや とうよう)

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。自主企画のフリーペーパー『蒲郡偏愛地図』を年1回発行しつつ、8万人の人口が徐々に減っている黄昏の町での生活を満喫中。月に10日間ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験しつつ取材活動を行っている。個人のいまを美しいモノクロ写真と文章で保存する新サービス「ポートレート大宮」を東京・神楽坂で毎月実施中。著書に、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる〜晩婚時代の幸せのつかみ方〜』(講談社+α新書)などがある。 公式ホームページ https://omiyatoyo.com


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