働き方改革プロジェクトの第3回ステアリングコミッティは、キックオフ時と全く異なる雰囲気で推移した。各部長から改革施策がおおむね出そろった旨報告があったが、余力創出の期待効果は、部によって差はあるものの、20〜25%程度まで見えていた。
日野下: ご報告ありがとうございました。役員の皆さん、コメントはありますか。仁和さんいかがでしょう。
財務経理担当役員の仁和が答える。
仁和: 今回の検討は、数十年に一度の改革になったと感じています。業務に関する基本的な考え方から見直すことができつつあります。まだ、細部の検討や機関決定はこれからの施策もありますが、統制レベルを保った上で割り切っていくという考え方に転換しています。例えば、一部の処理は月次の締めに拘らず翌月送りにすることで平準化するなど。月次の数字は80、90%でも早く出すことの方が重要ですし。
小田: 仁和さんが心配されていた、意識改革のレベルはどうですか? キックオフでは意識改革に時間をかけて取り組まないとアイデアが出ないのではないか、とおっしゃっていたが。
仁和: 意識改革は、それ自体をターゲットにするよりも、経企に追い立てられて(笑)、あ、日野下さん申し訳ない、集中討議していく中で私も含め進んでいったと思っています。改革施策の検討と意識改革は一体のものなんだなあ、と。
日野下: ありがとうございます。芝田さん、人事部ではいかがでしょう?
芝田: 正直、最初は疑問だらけだったんですわ。忙しい現場にこれ以上の業務削減を求めるのも気が引けましたし。この3カ月間、部課長やリーダーと議論させてもらって、この「忙しい現場」っていうのが思い込みだったかなって思っとります。その思い込みを捨ててみれば見えてくるものがありました。
ただ、今回のプロジェクトをこれで終わりにしてはいかんとも思っとります。また、何年かしたら同じことをしなきゃいけなくなります。業務を人間と切り離して類型化し、こういう業務は自動化を追求する、みたいな“X製作所WAY”を作らんといかんと思っています。
小田: まさにその通りだ。今後の施策実行フェーズで意識していこう。芝田さんがご心配されていた、プロジェクトの出口の問題は?
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