日野下と竹中が話し合いをした翌週の水曜日。2人は社長室でフェーズ2の体制案を説明していた。
小田: 「うむ。私と全取締役、関係執行役員でステアリングコミッティ(運営委員会)を組成するわけだな。よし、このメンバーで進ちょくを確認し、必要な指示を出していく。何か論点があった場合は結論を出す。日野下さん、頻度はどのくらいをイメージしている?」
日野下: 「月次です」
小田: 「宜しい。月2回の経営会議の2回目、第3月曜日の経営会議後に1時間設定したまえ。ところで、まずは本社3部門に絞るわけだが、これはなぜだ?」
日野下: 「何といっても、期待効果が大きいからです。3部門合わせて344人いますし、いわゆるオペレーションが中心ですから」
小田: 「分かった。まずは本社3部門で成果をしっかり出そう。しかし、成果が出る見通しが立った時点で、速やかに事業部門・海外にも展開する前提を忘れないで欲しい。『隗より始めよ』だな。部長会とか共通検討チームというのは何だ?」
日野下: 「改革の具体的な施策は課長とリーダーに考えてもらいます。ですが、それだけではボトムアップ、現場型の改善と変わりません。ですので、経営層の意思を踏まえて部長が成果にコミットし大きな改革機会の仮説を議論し、各チームの改革案検討を後押しします。具体的な知見や事例の提供はコンサルタントの手も借ります。また、部門をまたがる施策、例えば承認ルールの簡素化+ワークフロー+RPA(Robotic Process Automation)によるプロセス改革などは部門ごとの検討ではなく、この部長会で決定していきます。特に論点が出てくることが予想される、権限設定やシステムについてはあらかじめ横断検討の場を設定しています」
小田: 「期間はどう考えてる?」
日野下: 「現状のデータは以前調査したものが活用できます。3カ月で施策を出し切る考えです」
小田: 「竹中さん、この期間は妥当と思うかね? さらに短縮せよというのは無謀かな?」
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【第2話】現場任せでは成果は出ない!?
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