100万円で開発した「現金NGのカフェ」が、数年後に増えそうなワケ水曜インタビュー劇場(月1万円公演)(5/6 ページ)

» 2019年04月03日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

万引き犯にならなくてよかった

土肥: 店内に入って、お菓子を購入しました。そのとき、ちょっと意地悪なことをしたんですよね。お菓子を手に取って、また戻して。天井のカメラらしきモノの死角になるように不審な動きもしてみましたが、きちんと決済されていました。ちょっと表現は悪いですが、万引き犯にならなくてよかった(笑)。

 カフェの天井には4台の赤外線センサーを設置していて、入店してきたお客さんを追跡しているそうですね。商品はそれぞれ別のカゴに入っていて、カゴの下に重量センサーがセットされている。重量センサーや店内の各種センサーを組み合わせて行動を判定し、その人は何を何個持って出たのかを推定しているそうですね。

 機能面の詳しい説明は割愛しますが、ワタシが驚いたのは初期費用なんですよね。めちゃめちゃ費用がかかっているので、黒字化するのは大変だろうなあと思っていたら、100万円ほどしかかかっていないとか。

センサーを活用したウォークスルー決済

横田: 店内にたくさんのカメラとセンサーを設置すれば、初期費用は高くなるんですよね。ディープランニングを活用した画像認識技術なども使えば、お客さんが何を買ったのか判断できるわけですが、カフェではそのような技術を導入していません。

土肥: あと、運営にあたってのシステム費は、月1万円ほどだとか。なぜ、そんな低価格で運営することができるのでしょうか?

お菓子もキャッシュレスで購入することができた

横田: カフェで使われている多くの機能は、米アマゾンのクラウドサービス「AWS」を使っているんですよね。

土肥: ちょいお待ち。そのへんのことは詳しくないのですが、クラスメソッドはAWSに関係する仕事をしていますよね。ということは、特別割引を受けているから、それほどの低価格で運営ができているとか?

横田: いえ、そういうわけではありません。割引をしてもらっているのではなくて、使いこなしているからこのような価格でやっていけるんです。詳しい説明は省きますが、クルマの運転で例えると、低燃費で走行している感じですね。

しばらくすると、レシートがスマホに送られてきた

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