「利益をそのままにすると、約20%課税される。そこで、ポートフォリオの中で含み損があるものを探し、売却することで利益と同じ額の損を確定させる」
THEOの投資プラットフォーム責任者のマット・スチュワートボックス執行役員は、こう仕組みを説明する。彼は、運用会社ブラックロックの日本法人で科学的アクティブ株式運用部門のトップを務めた人物だ。
「ただし、売却しただけだと現金が発生するので再投資しなくてはならない。違う銘柄を買うとポートフォリオがゆがんでしまうので、ほぼ同じ銘柄を買うようにしている」(スチュワードボックス氏)
THEOは数多くの米国ETFを使っていて、例えば米国の株式インデックスであるS&P500に連動したETFを例にとると、バンガードのS&P500連動ETFを売却したら、今度はステート・ストリートのS&P500連動ETFを購入するといった具合だ。同じタイミングで市場で同一銘柄を売買しても税効果が認められないルールになっているため、こうした方法を取る。
「逆のパターンもある。リバランスで損失が確定した場合、税金は発生しないが、そのままだともったいない。そこで含み益のある銘柄を売却することで、将来の税金を減らすようにする」(スチュワートボックス氏)
こうした仕組みはタックス・ロス・ハーベスティングやタックス・ゲイン・ハーベスティングと呼ばれ、米国などでは節税方法として一般的だ。これを自動的に行うのがTax Optimizerになる。
ただし、確定した利益を相殺してゼロにしても税金がゼロになるわけではない。「基本的には、税金が減るのではなく払うタイミングを先にする。いつかは払うが、できるだけ後に払ったほうがいい」(スチュワートボックス氏)。また確定した損失については、確定申告をしない限り翌年に持ち越せないため、相殺してしまうことが実質的に節税となる。
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