ロボアドに税金の自動最適化機能 THEOの独自性はどこか?(4/4 ページ)

» 2019年04月19日 14時15分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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2018年のシミュレーションでは効果は0.4%のリターン改善

 このTax Optimizerの効果はどれほどのものなのか? スチュワートボックス氏は、2018年についてシミュレーションしたところ、預かり資産に対して平均で0.4%の効果があったと話す。

 ただし、市場の状況や各人のポートフォリオによって当然効果は変わってくる。

 「誰もが同じ効果を得られるわけではない。3つの要素がある。まず1つ目は、市場のボラティリティ(上下の動き)。ボラティリティの高い市場では、リバランスのときに利益や損失が出やすくなる。そういう市場ではTax Optimizerで利益を相殺できるチャンスが増える。2つ目は持っている銘柄内の相関(値動きの関連度)だ。相関が高いと、すべての銘柄が同じように動く。するとある銘柄が利益を出していると他の銘柄も利益を出しているので、相殺するチャンスが少なくなる。3つ目に、ポートフォリオに入っている銘柄の数による。銘柄数が少ないと相殺できるチャンスがその分減ることになる」

2019年4月時点でTHEOが組み入れているETF。一つのジャンルでも複数のETFを利用していることが分かる

 さまざまな変動要素はあるが、THEOの代表的なポートフォリオでは、過去3年の年平均リターンは5.6%だった。その中で、もし0.4%の効果を実現できればユーザーへの大きなアピールポイントだ。

 「必ず毎年0.4%の効果があるかは保証もないし予想もできない。ユーザーによっても変わる。効果ゼロのユーザーもいると思う。2018年のマーケットは、前半がよくて後半悪かった。ある程度ボラティリティが高くて、相殺のチャンスが多かった。そういう意味で(税の最適化が)やりやすい年だったかもしれない」(スチュワートボックス氏)

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