日本に凱旋した北米マーケットの大黒柱RAV4池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/6 ページ)

» 2019年04月22日 06時30分 公開
[池田直渡ITmedia]

実力やいかに?

 概要を書き記すだけで半分の文字数を費やしてしまったので、インプレッションに移ろう。運転環境はTNGA世代らしく、これまでよりずっと良い。ボディサイズも大型化しているので、ペダル配置に無理が無く、シートもベストとはいわないまでも、現世代のモデルとしては良い方に属すると思う。

少々アグレッシブな外装に対して落ち着いた雰囲気のインテリア

 走り始めると、車両重量に対してエンジンが少し負け気味。試乗コースが富士の裾野でアップダウンが多かったこともあるだろうが、発進直後の低速トルクの不足を補おうと、トヨタ自慢のダイレクトシフトCVTが回転を上げてしまう。運転席に座って感じる車格に対して、少しノイジーに思う。アクセルをドーンと踏んでしまえば、十分パワフルなのだが、こういうクルマの場合、そういうヨーイドンよりも、負荷に応じてちょっと踏み足した時、ギヤ比を変えずにトルクを増やしたいというニーズの方が重要だ。そこはもう少し何とかなるといい。

 なお、これに関してはハイブリッドモデルの方が良かったが、こっちはクルマの重さをだいぶ感じる。物理の法則通り、走る・曲がる・止まるの全てに重さがつきまとうが、エンジンに加えて、ハイブリッドのE-Fourには、トヨタハイブリッドシステム(THS)とパワーコントロールユニット(PCU)、バッテリー、さらにリヤの駆動用モーターが従来比で高出力化されているのだから当然と言えば当然だ。ただしWLTCモード燃費でリッター当たり20.8キロも走るといわれると、一概に重さを責められない。ちなみにガソリンモデルは、同じくWLTCモードで15.2キロ。

 ハンドリングは、通常領域では極めて素直。ステアリングコラム周りの剛性感も最先端水準で、走っていて気持ちいい。コンベンショナルな(つまりハイブリッドじゃない)2台の乗り味はデフの差になるはずだが、舗装路で試せたのはDTVモデル。4つの車輪の接地感があらゆる速度で気持ちいい。別に飛ばさなくても低速から十分に恩恵がある。

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