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» 2019年04月22日 06時30分 公開

日本に凱旋した北米マーケットの大黒柱RAV4池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/6 ページ)

[池田直渡,ITmedia]
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 だから筆者は、普通の人にはそういう不自然な部分が少ないDTCモデルを勧めたいのだが、一方でDTVモデルはタイヤの能力に余裕がある領域ではすこぶる優れた接地感を発揮し、気持ちよく走る。それも捨てがたい。技術の粋を凝らしてトルクで曲がるAWDを選んで、それをあんまり使うなというのも微妙な話だが、DTVの効果がハッキリ現れるような領域にわざわざ踏み込むのは、お勧めできない。よほど腕に自信があるならともかく、普通の人は日常域での味を楽しんだ方がいい。そしてそこにちゃんと技術の価値が現れている。

 RAV4の特筆すべき点は、穴に一輪を落とした状態から、どのモデルであっても普通に脱出できることだ。四輪駆動の宿命として、どこか一輪が浮いてしまうと、駆動力が逃げてしまい、残る三輪がしっかりグリップしていても脱出できなくなる。もっとハードなクロスカントリーモデルならデフロックを装備していて脱出が可能なのだが、普通の生活四駆はそこで身動きが取れなくなる。

一輪が穴に落ちるなどして空転した場合、空転車輪にブレーキを掛けて擬似的なリミテッドスリップデフとして使って脱出する

 その点RAV4は、そういう状況下でも、全てのモデルが何事も無かったように脱出できることは、高く評価できる。「どんな気象条件であろうとも家族を病院まで……」という話はただのお題目ではない。人気の無い場所や、厳しい気象条件で身動きできなくなるというリスクを回避できる性能には価値があると思う。

 ボディサイズが許容でき、ちょっとしたアドベンチャーに興味がある人にとって、選択肢になるクルマだろう。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。


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