年収400万円の不動産投資家は、どうやって3年で家賃収入700万円を超えたのか?(2/6 ページ)

» 2019年05月13日 09時50分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 「相続した物件は2015年の1月に空いたので、手を入れ始めました。3カ月くらいかけてリフォームし、仲介業者も回って入居者付けをしました。いま思えば下手くそなリフォーム、入居付けでした。当時はリフォームに40万円くらいかかりましたが、いまの知識と経験ですれば20万円以下だろうという内容でした」

 当時は、とにかく誰も入居してくれないのが怖かったという。

 「埋まらないまま、次の引っ越しシーズンまで空いたらどうしよう? と。最初反響がなかったので、あわてて家賃をガンガン下げてお客さんをつけたんです」

 ワンルームマンションのような一室の場合、入居者が決まらなければ家賃収入はゼロ。安くしても、とにかく入ってほしい気持ちが強かった。

 山田さんの場合は、不動産投資をしようと思って物件を買ったわけではなく、相続によって思いかけず物件を所有することになった。不動産投資より先に、不動産運営から入った形だ。

 「その点は良かったと思っています。(物件を持ってしまったら)やるしかないので。やってみると、案外いけるぞと。できたという達成感が大事だと思うんです。今は何億円の資産をお持ちの方でも、最初はワンルームから、という方はいます。1戸買って、怖いという気持ちを外すこと。それが大事なんだと思います」

さらなる不動産投資の拡大を目指したのは?

 一つ目の不動産を運営してみて、「もういいや」とは思わなかったのだろうか?

 「私にはそれが面白かったんです。勤め先だと、組織の歯車という感覚があるので。賃貸不動産は自分が経営者ですから。計画があって、銀行に説明して融資を受けて、経費をかけて入居者に住んでもらう。賃料から元本と利子を返し、納税を……と、まさに経営感覚が味わえるというところに面白さを感じたんです」

 組織の歯車としての毎日とは違う、責任はあっても自分が経営者として思ったとおりに経営できるところに魅力を感じたという。こうした考えは、不動産投資家にとって普通のことなのだろうか?

 「逆に、不動産会社に勧められるがまま買って、人任せにしていればお金がもうかる、という感覚では失敗すると思います。常に勉強と行動です。一方で、自分にできないことも、(管理会社やリフォーム業者などの)パートナーに任せることができます。そのため、不動産投資は思ったより手がかからないということも、半年くらいで分かりました」

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