年収400万円の不動産投資家は、どうやって3年で家賃収入700万円を超えたのか?(4/6 ページ)

» 2019年05月13日 09時50分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 新築アパートのいいところはどこだったのか?

 「初めての不動産は、やっぱり怖かった。新築なら10年間は保証があります。リスクが小さいんです。大きな修繕費用もかかりませんし、クリーニングだけで次の入居者も決まります。しかし、一方では新築に確実にあるリスクもあります。まず、最初は当然全部空室です。ローンの返済は始まるんですが、返せるかなと。そして、やはり利回りが低いです」

 5500万円の新築アパートを購入した山田さんだが、当然のように「怖かった」と話す。しかし、怖いでは終わらせずに徹底的に調べた。

 「これだけの借金を抱えて怖くないのかといわれると、怖いです。でも、どこかで踏ん切りをつけて決めなくては。良いことも悪いことも知っていれば、怖さは減っていきます」

 株式投資などと同じく、不動産投資も売るまでが投資だといわれる。買って終わり、満室にして終わりではなく、売って初めてその投資が終わる、と山田さんは話す。

 「売却は市況の影響を受けますので、いろいろなパターンを考えています。このアパートは当初は6年で売ろうと思っていましたが、今は分かりません。10年間持つことも考えています」

 「逆にいうと、今は物件価格が下がり始めてきて、買うにはいいタイミングになってきていると思います。物件価格の2割程、貯金の用意があるといいですね。業者さんからのメールを見ると、2019年4月からは利回りが上がってきたり、いい立地のものが出回り始めました。それから金額の大きな物件の案内が増えました。買える人が減っているんでしょうね」

 不動産投資は物件選びも重要だが、銀行がお金を貸してくれないことには始まらない。不動産への不正融資問題をきっかけに、銀行の融資は非常に厳しくなり、2019年現在、引き締めが続いている。融資が厳しくなると買える人が減るので、受給の関係から物件の価格は安くなっていく。

 「融資の条件と物件価格はすごくリンクします。17年、18年は、物件価格が高止まりしていました。金融機関はお金を貸したくてたまらなかった。ある程度の年収があれば、ほとんど貯金がなくても物件が買えたんです。そうすると欲しい人は増えますよね。高値でも売れるなら、当然物件の価格が上がります」

 最初の一つとして購入した新築アパート、いま自己採点するなら何点なのだろう?

 「うーん70点。理由は、中古物件を考えられかったのか。相続したワンルームマンションを売って、それを元手にして中古のアパートを買えば、利回りがもっと高いものを買えたわけです。面白味を感じて、もっと手をかける物件にしてもよかった。それから、東京市部という立地だったのかどうか? 今は家賃を下げることなく満室稼働ですが、売却を考えるとちょっと怖い立地です」

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