なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2019年05月14日 08時13分 公開

スピン経済の歩き方:「黒タピオカドリンク」が20年を経て、再ブームになっている背景 (4/6)

[窪田順生,ITmedia]

ここ数年、好循環が繰り返された

 おじさんたちからすれば「ホットケーキと何が違うの?」と首をかしげるあのスイーツが、日本社会でなぜここまで人気を博して、市民権を得たのかというと、ホノルルで日本人観光客が長蛇の列で並ぶことで知られる人気カフェ「Eggs 'n Things(エッグスシングス)」が上陸したからだ。

 2010年、海外初進出店である原宿店ができた時は、連日のように長蛇の列ができて、経済ニュースに取り上げられるほどの大きな話題となった。その後、この人気にあやかって、日本国内でもさまざまなカフェでパンケーキを出すようになり、お笑い芸人が「パンケーキ、食べたい」なんてネタにするまで社会に普及したのである。エッグスシングスも今や東北、関東、東海、関西で21店舗を展開している。

 ご存じのように、ハワイは、日本人が年間150万人も訪れる人気旅行先だ。米国本土から以外で最も観光客が多いのが日本である。

 そんなハワイで、多くの日本人が食す「ド定番グルメ」がパンケーキだ。その中でも人気が、エッグスシングスのホイップクリームがてんこ盛のパンケーキで、ワイキキビーチに近いサラトガ店では日本人が長蛇の列をなしている。

 これはつまり、年間150万人もの日本人が「パンケーキ」のとりこになって帰国しているということでもある。日本国内におけるパンケーキブームのきっかけは、確かにエッグスシングス上陸であったかもしれないが、既にその何年も前から、「ブームの芽」はハワイの地でつくられていたというわけだ。

 実はこの構造は、黒タピオカドリンクもまったく同じである。

 先ほども申し上げたように、台湾に行った日本人はほぼ間違いなく黒タピオカドリンクを飲む。そういう人たちがSNSで黒タピオカドリンクの画像や映像を拡散する。帰国した後には、家族や友人に「おいしかった」と宣伝する。

 そういう好循環がこの数年繰り返されてきたことで、20年前から存在していた黒タピオカドリンクの価値が改めて見直され、店舗数の増加につながった。そこに加えて、ブームに拍車をかけたのが、「参入障壁の低さ」である。

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