なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2019年05月14日 08時13分 公開

スピン経済の歩き方:「黒タピオカドリンク」が20年を経て、再ブームになっている背景 (6/6)

[窪田順生,ITmedia]
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黒タピオカブームから学ぶこと

 日本では、「ブーム」は国内のトレンドや市場環境が生み出していると捉えがちだが、黒タピオカブームやパンケーキブームからも分かるように、「海外旅行での消費動向」が大きな影響を与えている。

 これはつまり、日本を訪れる外国人観光客の消費動向も、彼らが祖国へ戻ってからの「日本ブーム」につながる可能性もあるということだ。

 しかし、残念ながら日本ではそういう考え方は一般的ではない。「ブーム」というものは、仕掛けるもの、ゴリゴリに押し付けて知らしめるもの、という思い込みが強いのだ。

 それを象徴するのが、日本製の食品や電化製品などを外国人に持たせて祖国へ里帰りをさせ、「見たか! これがメイド・イン・ジャパンの底力だ!」とか一方的に自慢するようなテレビ番組だ。

 「クールジャパン」が壮絶にスベったことからも分かるように、自画自賛の「文化輸出」は決して成功しない。単なる民族主義の押し売りになってしまうからだ。

 そういう傲慢(ごうまん)な考え方は捨てて、黒タピオカやパンケーキという文化輸出の成功例に学んで、1人でも多くの外国人観光客に日本に来てもらえるような施策に力を入れたほうがいいのではないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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