モノづくりがいいといわれる日本は、最初から完璧な製品を完成させてから市場での販売をはじめる。アンドロイドとシャオミが登場するまでは、こうした日本的なモノづくりが世界でも評価されていたのではないかと思う。だが、シャオミというS級サンプルの登場と、アンドロイドという更新前提のシステムのおかげで、中国のハードウェアは化けた。最初は完璧でなくとも、販売後の修正を通じて市場に評価される製品が生み出されていったのである。
加えて、シャオミの後期製品をはじめ、壊れやすいといわれていた中国製品が壊れにくくなった。その理由はどこにあるのか。
モノがちゃんと売れるようになり、メーカーはブランドとして認められるようになった。そうすると品質が重視される。OEMによる委託生産先は品質向上に努めた。結果、多くのメーカーから生産を委託されて、ノウハウの蓄積も進んだ。こうして品質が向上したのである。
さらに、これまでは海外メーカーの部品を寄せ集めただけだったのだが、商品が売れることによって独自開発をつづける余力が生まれた。業界最大手のファーウェイは独自のスマートフォン用チップ「キリン」を開発した。大手スマートフォンメーカーのOPPO(オッポ)は、カメラ用チップをソニーと共同開発するようになった。海外メーカーの部品を寄せ集めただけだった時代を脱し、独自の製品が作れるようになったわけだ。
安いわりにほどほど使えるから売れる。
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売れて資金的に余力ができ、品質を上げられる。
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品質が上がり、さらに売れる。
こうして中国スマートフォンは製造力において一歩一歩、B級から脱してS級へと進んでいった。
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