クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

テスラModel 3試乗 これはドライバーの理想ではなく、テスラの理想池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/5 ページ)

» 2019年06月10日 07時15分 公開
[池田直渡ITmedia]

動くものとしてのテスラ

 さて、試乗である。普通、見て触って感心したりびっくりしたりしたことから書き始めるのだが、まあテスラの場合、最初からそこでユーザーに衝撃を与えるのが信条なので、いちいち書いていると一向にクルマが走り出さない。その辺はむしろテスラの意図を尊重して、個人個人でユーザーエクスペリエンスを楽しんでもらった方がいい。

ハンドルにスクロール可能なボタンが2つある以外、ダッシュボードにまったく操作スイッチのないインテリア。すべての設定はセンターコンソールの15インチタッチパネルで行う

 むしろ筆者に与えられた役割は、そういう興奮とは一線を引いて、500万円オーバーのクルマとして冷静にみた場合にどうなのかを述べることだと思う。いわばディズニーランドに行って、アトラクションを乗り物としての動きで分析するような無粋な話だ。

 世の中にはそんなことはどうでもよくて、テスラの未来感に熱狂したい人も少なくないはずで、そういう人にとってはあまり本記事は参考にならないと思う。

 さて、最初は恒例のシートの出来だ。酷くはないが良くもない。凡庸ではあるが座面サイズがたっぷりしていることは褒められる。

 着座状態での視界も似たようなもので、太いAピラーの死角はそれなりに大きい。ペダル配置は日本に入る予定のない左ハンドルなので言及する意味があるとは思わないが、普通だ。ペダル配置については普通というのは褒め言葉である。

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