「ちくぽこ問題」をどうやって解決したのか インナー「NoPoints」の舞台裏水曜インタビュー劇場(ぽっこり公演)(5/6 ページ)

» 2019年06月26日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

3つの課題が浮き彫りに

土肥: 2017年6月、クラウドファンディングで発売したところ、完売したそうですね。その後、一般販売したところ、すぐに完売。購入者からはどのような声がありましたか?

川尻: よかった点として「ぽっこり乳首を気にしなくてよくなった」「ポロシャツを着ることができるようになった」といった声がありました。その一方で、改善しなければいけなこともたくさん見えてきました。生地が分厚いので、「暑い」という声をたくさんいただきました。このほかに、「胸にパッドを付けているように見える」「価格が高い」という意見がありました。

土肥: 「分厚い」「デザインが悪い」「価格が高い」という、3つの課題が浮き彫りになったわけですね。

川尻: はい。この問題を解決するためには、どうすればいいのか。デザインはなんとかできるかもしれない、価格もなんとかできるかもしれない。この2つの問題を解決するには、やはり素材をなんとかしなければいけないと考えました。

 分厚い素材を薄くすることはできる。しかし、薄くすると、乳首が出てきてしまう。このジレンマをどうすればいいのか。何度も試作品をつくってみたものの、これはダメだあれもダメだとなりました。やや煮詰まりかけていたところに、加圧シャツに使われている素材に目が止まりました。胸にあててみると、乳首の高さが収まるんですよね。これまで乳首の高さを隠そうとしていたのですが、素材の特性を生かして、圧力によって低くするのはどうかと考えました。

 試作品を着用したところ、凸凹しているところに乳首が収まって、圧力によって低くなる。「これはいける!」と感じて、商品化に動き始めました。

土肥: 6月7日、クラウドファンディングで「NoPoints Ver.2」を発売したところ、300着以上売れているそうで(6月11日時点)。素材の分厚さは解消して、デザインもよくなった。ただ、価格は7500円。以前のモノよりも安くなったとはいえ、まだまだ高いですよね。それでも売れている要因をどのように分析していますか?

クラウドファンディングで「NoPoints Ver.2」を発売

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