クーガーのバーチャルヒューマンエージェントの内部では、ゲームAIの技術と機械学習に基づくAIの技術を組み合わせている。ゲーム内のキャラクターがさまざまな身振り、行動をする背景には「ゲームAI」と呼ばれる技術の蓄積があり、それを応用した。また、画像を通して状況を認識し、通行人の表情を読み取る部分では画像処理や機械学習などの技術が使われている。
この「レイチェル」開発の背景には、ちょっとしたストーリーがある。クーガーは、自動運転車を賢くするための学習シミュレータを開発し、本田技術研究所で使われた実績を持つ。このシミュレータは、ゲームAIを応用し、大勢のCGキャラクターたちが歩道や横断歩道を動き回る状況を作り出し、自動運転車のトレーニングに活用していた。背丈、服装、挙動、荷物などが異なる、たくさんの人物を作り出した。
「そうした『その他大勢』の中の一人に注目して、『もっと賢くしていったらどうなるだろう?』と育てていったのが『レイチェル』です」と石井氏は打ち明ける。エキストラから抜擢(ばってき)されて初舞台を踏む「レイチェル」は、自らの活躍の場を広げていくチャンスをつかめるだろうか。
すべてのAI活用に共通する原則とは何か? トロント大学AI権威アジェイ・アグラワル教授
JR赤羽駅のAI無人店舗を体験してみた
資産運用で挫折しそうなときに“激励” AIが読み取るユーザーの心理とは?
「この顧客の成約確率は?」文系でもAI活用 ソニーが予測分析ソフト無償提供
NHKが地上波にAIアナウンサー「ヨミ子」起用 何を読む?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング