1億円以上の「役員報酬額ランキング」――トップ5に外国人が4人、日産・ゴーン氏は5位：「世界標準」に近付きつつあるか

[ITmedia]

　東京商工リサーチは、6月27日17時までに確認できた2039社の有価証券報告書（2019年3月期決算）から、役員報酬1億円以上の個別開示を行った企業と役員の氏名を、報酬額を基に順位付けした「役員報酬額ランキング」を発表した。役員報酬1億円以上の個別開示を行った企業は237社で、人数は482人にのぼる。

　役員報酬1億円以上の開示は内閣府令に基づき、10年3月期決算より報酬などの総額、報酬などの種類別（基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金などの区分）の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられている。

1億円以上の報酬を受け取っていた役員は？（写真提供：ゲッティイメージズ）

トップ5に4人の外国人

　役員報酬額のトップはソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長で、32億6600万円（前年20億1500万円）だった。2位が新日本建設の金綱一男会長で23億4300万円、3位がソフトバンクグループのマルセロ・クラウレ副社長COOで18億200万円（前年13億8200万円）、4位が武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長で17億5800万円（同12億1700万円）と続いた。

　金融商品取引法違反（有価証券報告書の虚偽記載）などの罪で起訴された日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は16億5200万円（同28億6900万円）で5位だった。5位以内に4人の外国人が入ったことになる。

2019年3月期「役員報酬額ランキング」

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告は6月28日午後9時から記者会見を開く予定だ

トップは三菱電機で21人

　開示人数を見ると、トップは21人の三菱電機（前年22人）だった。2位は17人の日立製作所（前年18人）、3位は9人の東京エレクトロン（前年10人）で、トップ3は前年より1人ずつ減っている。4位には三菱商事とバンダイナムコホールディングスが入り、各8人だった。こちらは逆に両社とも前年より1人ずつ増えている。

　6位は各7人で、大和ハウス工業、三井物産、大東建託、ソフトバンクグループが並んだ。18年に個別開示をしておらず、19年に1億円以上の報酬を受け取った役員を個別開示したのは58社だった。

2019年3月期 役員報酬開示人数ランキング

　今年1億円以上の報酬を受け取った482人のうち、18年に引き続いて1億円以上の報酬を受け取った役員は336人で、約7割（構成比69.7％）を占めた。このうち194人は、前年よりも報酬額が増えている。一方、18年に開示しておらず、19年3月期に開示されたのは146人だった。

歴代役員報酬額ランキング