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ホリエモンとの出会いが人生を変えた――インターステラ稲川社長が語る「宇宙ビジネスの未来」打ち上げまであと4日(2/4 ページ)

» 2019年07月08日 19時00分 公開
[中西享, 今野大一ITmedia]

目の前に失敗より未来の「あるべき姿」を

――稲川社長に対して、トークイベント会場から一番多かった質問が「2号機で失敗した時に、折れない心をどうやって身につけましたか」でした。

 MOMO2号機の打ち上げ失敗で機体が2つに割れているのを見たときはショックで、さすがに胸に来るものがありました。そんな時は、ありたい未来を見ます。遠くを見る。そう考える自分が作るべき未来があったので、「この失敗は途中経過だ」と思い、目の前の出来事よりも、もう少し先のあるべき姿を見ることを、常に意識するようにしていました。

――技術的に見て3号機では何が達成できたのでしょうか。

 民間企業が単独で開発したロケットとして国内で初めて高度113キロの宇宙空間まで到達したのですが、これは世界的にも9社目です。液体燃料のロケットで姿勢制御に成功したのは4社目で、米国以外では初めてです。

――資金調達でも苦労されたようですが。

 ロケット開発はとにかくお金が掛かります。しかも投資した資金の回収までに長い時間が必要なので、きれいな事業計画を描くことが難しいのです。このため、必要な最低限の資金をクラウドファンディングや株式調達などによって集めていくしかありません。 

――資金調達でクラウドファンディング(CF)を使われてきましたが。

 われわれのロケットはいろいろな人に支えられてきました。CFもその一つで、これまで合計2800人の方のご協力で、7000万円の資金を調達することができました。

phot 稲川社長は「目の前の出来事よりも、もう少し先のあるべき姿を見ることを意識している」と教えてくれた
phot MOMOでは何ができたのか?
phot 観測ロケットと超小型衛星用ロケットの違い

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