沖縄で昭和の街並みが残る飲み屋街、那覇市栄町。日付が変わる午前0時ごろ、飲食店が次々と店を閉め始めても、明かりがともり続ける店がある。街の本屋「ブックスおおみね」だ。約30年、家族4人で沖縄の書店で唯一24時間営業を続けている。コンビニエンスストアの台頭で、街の本屋は雑誌や漫画が売れなくなり、出版不況もあってシャッターを閉じていく中、20坪弱の店舗が生き残っている理由とは。
「いらっしゃいませ」。
午後6時、店頭で迎えてくれたのは、大嶺輝浩さん(47)だ。
「記者さん、この前も来てくれてましたよね。あそこに貼ってある光GENJIのポスターを見て、ジャニーズが好きだと話していたので覚えています」
店内には、1990年代からのポスターや雑誌の販促グッズが飾られている。ポスターは蛍光灯で焼け、白壁は長年の細かなほこりで所々薄黒く、多くの人が歩いたであろう床のタイルは擦れている。営業してきた長い歴史を店内の一つ一つが教えてくれるが、インクの匂いは新しい。
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