飲み屋街で24時間営業の本屋さん、支持される理由とは親子3人でシフト(4/5 ページ)

» 2019年07月17日 06時00分 公開
[沖縄タイムス+プラス]
沖縄タイムス

酔客は誰のために本を買う?

 コンビニはないものの、市場と飲み屋がひしめき合う栄町。日が暮れれば酔客があちこちを歩いている。しかし、飲んだ帰りに本を買って帰るのか。朝や昼は、飲み屋が開いていない。24時間、一体、どんな時間帯にどんな人が本を買っていくのだろう。

 「夜は、飲んだ帰りのお客さんが多いです。主に男性ですね。家に帰る前に、奥さんや子どもに本や雑誌を手土産に買っていくんです。寝る前に本を読む習慣のある人も買っていってくれます。

 でも、一番は、雑誌の入荷日を押さえている地域の常連さんに支えられています。雑誌は船で沖縄に入ってきて、各書店に届きます。大体夜の12時前後。その時間に合わせて店に来てくれる方たちがいます。あとは、船便なのでどうしても発売日から4〜5日は遅れます。入荷が遅れていれば、次は何日ごろに入るよと伝えるようにしています」

日が暮れ始めた栄町。看板の明かりがつき始めている

  「真夜中から朝方は、夜勤の父親がゆんたく(沖縄の言葉でおしゃべりの意味)が好きなので、常連さんが父と話しに来ますね。午前5時ごろからは、出勤の早い建設作業員の方たちが現場に行く前に寄っていってくれます」

 ちなみに、同組合によると、18歳未満は購入できない成人雑誌の売れ行きは「壊滅的」だという。竹田祐規事務局長は「インターネットの台頭で、アダルト関連も売れない。非常に売れた時期もあり、経営が苦しかった街の本屋が成人雑誌にかじを切った店もあったが、店は続かなかった」と振り返った。

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