そういう組織の形の理想については、先日、たまたまマツダの販売戦略の説明会があり、記事化しているので是非参照していただきたい。誤解なきように書いておくが、あらゆる面についてスバルよりマツダが優れているなどというつもりは全くない。今スバルが統合戦略本部を設けてやるべきこと、つまり不足している部分について、マツダは戦略的対応をうまくやっている。ひとつの比較対象として述べているだけだ。
スバルは変わらなくてはならないことを、すでに十分に分かっているはずだ。しかしその変革を実現していく組織改造が、まだ始まっていないのだと思う。筆者の勝手な思いでいえば、スバルの現状と未来が一番見えている吉永会長を中心とした組織変革委員会を設立して、スバルの人たちが、もっともっと能力を発揮し、強い会社に生まれ変われるシステム作りを早急に始めてほしい。
筆者は、スバルが本質から変わるために少しでも役に立てばと思ってこの記事を書いている。書くのは正直怖い。けれど、誰かが言わなければ変わらない。
筆者の勘違いでなければその思いはスバルにも伝わっており、はっきりとはいわないまでも、しかるべき説明にむけ、調整しようとする様子がうかがえる。それが果たせた折には、その3へと、この連載は続いていくことになる。
最後に念を押しておくが、仮にこれを読んで、対応したスバル内部の人を探し出して、しかりつけるようなことが起きたとしたら、スバルの未来はやってこないと思う。むしろ変わるための大事なポイントを明確にした意味では、彼らを評価してしかるべきだ。
スバルは今勝負の時を迎えている。困難を乗り越えて、もう一度信頼を勝ち取るためにも、経営陣の英断を強く望みたい。
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。
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