東京の地下鉄、なぜ乗り換えが「つらい」のか歩く、歩く(3/4 ページ)

» 2019年07月30日 06時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

御茶ノ水の複雑怪奇

 JRに御茶ノ水という駅がある。この駅は、東京メトロ丸ノ内線の御茶ノ水に乗り換えることができる。しかし乗り換えるためには、御茶ノ水橋口から橋を渡りあらためて駅に行かなくてはならない。JR御茶ノ水駅の大規模改良工事で乗換通路ができるという話があるものの、雨に濡れないというメリットがあるだけで、歩くことには変わりがない。

 一方、東京メトロには新御茶ノ水駅がある。この駅は、JR御茶ノ水駅の聖橋口の目の前にある。しかし乗り換えの対象となっていない。

 この新御茶ノ水駅は、都営新宿線小川町・東京メトロ丸ノ内線淡路町と乗り換え可能になっている。現実には、それぞれが隣接する小川町から新御茶ノ水、あるいは淡路町から小川町という乗り換えは可能でも、歩行時間がかかる新御茶ノ水から淡路町という乗り換えには距離があるので、乗り換えるのは面倒な状況だ。

 そのためか、JR御茶ノ水から淡路町、というのには無理があるのだろう。なにせ、駅の規模からすると、一駅間は優にある。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

メトロ丸ノ内線・都営大江戸線のうまくいかない関係

 東京メトロ丸ノ内線と、都営大江戸線は、新宿・本郷三丁目・後楽園(都営大江戸線では春日)で乗り換えられる。しかしこの乗り換えは、大変しんどいものがある。本郷三丁目では、都営大江戸線の駅は地下深く、いったん地上を経て東京メトロ丸ノ内線に乗り換えなければならない。地上・地下含めるとホームからホームまで10分はかかるだろう。

 隣の春日・後楽園で乗り換えようと思う人も多いだろう。大江戸線春日は地下4層、後楽園は地上2層と、こちらもアップダウンが激しい。しかも、改札を抜けないで行こうとすると地下5層の南北線コンコースを抜ける必要があり、複雑である。こちらも、最低で10分はかかると考えられる。

 思わずこの乗り換えは避けたいと思うくらい、面倒なことが多い。

 なお新宿の場合は、東京メトロ丸ノ内線の駅は「新宿西口」に近く、大江戸線の新宿とは遠い。大江戸線新宿までの地下通路はあるものの、かなり歩く。もっともターミナル駅だから仕方がない、と思うことがある。

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