総距離1000キロ以上! 今後20年の鉄道開業計画を俯瞰する杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/7 ページ)

» 2019年08月16日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

大阪では「鉄道空白地帯」に進出

2023年度

 23年度は岡山の路面電車が岡山駅に接続。北大阪急行電鉄延伸地の住宅開発にも注目だ。

 岡山電気軌道の電車は、岡山駅前広場の手前、岡山駅前電停で引き返している。電停と駅前広場は市役所筋という広い通りに阻まれている。この電停を延伸し、駅前広場内に新電停を作る。プラットホームは3つ。現在運行している2系統に1系統分の余裕ができる。チャギントン電車など、イベント・観光電車の運用が便利になりそうだ。

岡山駅前広場のデザイン計画(出典:岡山市

 北大阪急行電鉄南北線は、Osaka Metro御堂筋線の終点、江坂駅から北へ5.9キロの路線だ。終点は千里中央駅。その千里中央駅からさらに北へ2.5キロ延伸する。新たな終点になる箕面萱野駅付近は、西側の阪急箕面線と東側の阪急千里線に挟まれた鉄道空白地帯だった。途中駅の箕面船場阪大前駅付近には団地もある。途中駅で乗降客数を期待できる上に、終点駅で住宅開発も進められるという好立地だ。大阪都心、新大阪駅へ直結できる住宅地として注目のエリアといえそうだ。

2024年度

 広島と松山の路面電車、ひたちなか海浜鉄道、Osaka Metroが延伸する予定だ。

 前年度の岡山市に続き、広島市も路面電車とJR駅の接続が改善される。広島電鉄と広島市は25年春を目標に、稲荷町電停から駅前大橋経由で広島駅ビル敷地内の新電停に乗り入れる。線路4本で、各線路の両側を乗車場と降車場が挟む。なお、これに伴って現在の広島電鉄本線の広島駅前〜的場町間は廃止される。(関連リンク:広島電鉄広島市

 伊予鉄道もJR駅との接続を改善する。愛媛県、松山市、JR四国は松山駅の高架化事業に着手しており、JR駅の高架に合わせて、その下に伊予鉄道松山市内線の駅を設置する。現在の松山駅前電停から分岐して、約100メートルの線路を延長する。

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