総距離1000キロ以上! 今後20年の鉄道開業計画を俯瞰する杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/7 ページ)

» 2019年08月16日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

2022年度は新幹線のビッグイベント

2022年度

 北陸新幹線延伸と長崎新幹線開業というビッグイベントがある。従来の傾向から、23年3月の全国ダイヤ改正時に同時開業するとみられる。

 北陸新幹線は金沢〜敦賀間が延伸。在来線特急との接続駅は金沢から敦賀に移り、名古屋・米原発の「しらさぎ」、大阪発の「サンダーバード」は敦賀発着となるだろう。延伸開業と同時に北陸本線の金沢〜敦賀間の並行在来線も第三セクター方式で開業予定。8月13日には「福井県並行在来線準備株式会社」が設立された。

北陸新幹線の計画(出典:鉄道・運輸機構

 長崎新幹線は武雄温泉〜長崎間が開業する。博多〜武雄温泉間の在来線特急に接続する運行計画で、同一プラットホーム平面乗り換えになる予定。並行在来線は肥前山口〜諫早間だ。しかしJR九州が運行を継続し、線路設備を長崎県と佐賀県が保有する。

九州新幹線(西九州ルート)の計画(出典:鉄道・運輸機構

 福岡市営地下鉄七隈線の天神南〜博多間は22年中に開業予定。七隈線は福岡市中心部の天神南から西へ向かう路線だ。天神南駅は西日本鉄道の起点、西鉄福岡(天神)駅に接続している。しかしJR博多駅とは離れていることもあって利用者は伸び悩んだ。そこで博多駅まで約1.4キロを延伸する。福岡市営地下鉄空港線とも乗り換えしやすくなる。

 相模鉄道と東急電鉄の直通運転は22年度下半期の予定。相模鉄道新横浜線は羽沢横浜国大駅から新横浜駅(仮称)まで、東急電鉄は新横浜駅から日吉までを新規建設。日吉からは東横線・目黒線へ直通運転する。東横線から東京メトロ副都心線、目黒線から東京メトロ南北線と都営地下鉄三田線への直通については正式な発表はない。しかし、直通車両は8両編成以上になる見込みで、目黒線・南北線・三田線は現在の6両編成を8両編成にする準備中だ。

 このほか、16年の熊本地震で被災した南阿蘇鉄道が全線運行再開する予定。

東急電鉄側からは新横浜へのアクセスも魅力(出典:東急電鉄

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