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日本マイクロソフト社長の働き方――平野氏単独インタビュー(後編)次期社長は?(3/4 ページ)

» 2019年08月29日 08時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

―― すでに新たな仕事は始まっているのですか。

平野 日本マイクロソフトの社長退任を発表して以降、米国本社に行ったのは1回だけです。7月に米ラスベガスで開催した社員総会のMicrosoft Readyの帰り道に本社に寄り、新しいチームにあいさつをしてきました。その後はずっと日本で仕事をしています。

 もちろん、すでに情報は共有していますが、いまの段階ではあまり深入りせず(笑)、日本マイクロソフトの社長の仕事に集中しています。8月30日に開催するJapan Partner Conferenceの基調講演にも私は登壇する予定ですし、最後の最後まで、日本マイクロソフトの社長としての仕事をします。

―― 平野社長の日本マイクロソフトでの経験はどう生きますか。

平野 米国や英国では直販ビジネスが強いのですが、日本はパートナービジネスが100%です。パートナーから見る現場感や、何をインセンティブに努力をしているかといったこと、困っていることは何か、どうすればそれを解決できるのかといったことは、他のカントリーマネジャーよりは、視点と経験を持っていると自負しています。その点では、日本マイクロソフトの経験が、GSIの強化や新たな取り組みを進める上で生かせるでしょう。

 ただ、先入観は持たずに、最初は頭を真っ白にしておくことも大切だと思っています。その中で、日本での経験が自然と出てくるでしょう。日本マイクロソフトの社長という、いわば現場(フィールドビジネス)の経験者を、本社のバイスプレジデントに持ってきたという人事は、パートナービジネスの経験を活用したいということだと思います。

 それは、上司の言動からも感じますね。パートナーと一緒になって現場で苦労した私が発信するメッセージですから、これを受け取ってもらうことで、パートナー側の見方や受け取り方、考え方が変わるようになるといいと思っています。

―― 日本のパートナーには、どんな影響がありますか。

平野 ワンマイクロソフトパートナーグループで、ローカルのSIパートナーを担当するチームの担当者と、すでに話をしたのですが、今後、各国のパートナービジネスの話をするときは、GSIも含めて一緒にやろうということにしました。

 GSIとのパートナーシップによって蓄積した経験やノウハウなどは、全てのSIパートナーとも共通で生かせる部分があり、それをプラス要素として還元できると考えたからです。これまでは縦割りだった組織を変えることで、効果を最大化したいですね。

 特に日本に関しては思いが強いですから、個人的には、優先的にいろいろなことを考えていきたいと思っています。日本のSIの方々には、平野をうまく使ってもらいたいですし、情報を共有したり、議論をしたりといったことも積極的に行いたいですね。日本には月1回のペースで帰国する予定です。

―― 日本マイクロソフトの社長として、週休3日制の導入をはじめとして新たな取り組みを実施するなど、数々の変革に取り組んできましたが、米本社でもそうした仕掛けを行いますか。

平野 日本マイクロソフトの社長と、米本社での役割は違いますから、そうした形でのインパクトを出すのは難しいと思っています。ただ、自分の役割の中で、どんなインパクトを出せるかといったことは考えていきたいですね。

―― 日本マイクロソフトには、グループ内では世界で唯一、社章があり、平野社長もこれを着用していましたが、米本社勤務でも着用しますか(笑)。

平野 本社の社員は、Tシャツで勤務していたりするので、毎日着用するということはないでしょうが、機会があればつけたいですね(笑)。

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