―― Microsoftの新年度は7月から始まります。日本マイクロソフトの社長人事も、それにあわせて行われてきました。今回の平野社長の退任は8月末であり、次期社長の就任は9月以降となっています。また、現時点でも次期社長が発表されていません。社長のバトンタッチがうまく行われていないとを感じます。
平野 ご指摘のように、次期社長の発表は、もっとスムーズにしたかった反省はあります。次期社長については、それほど遠くないうちには発表することができます。それまでの期間は、Microsoftアジア プレジデントでありアジア地域担当コーポレートバイスプレジデントのラルフ・ハウプター氏がサポートすることになります。
目標についても計画通りに遂行していますし、シニアリーダーシップチームもやり方が分かっています。短期間であれば、いまの体制でも何も問題がなく、ビジネスが回ることは間違いありません。
―― パートナーからは不安を感じる声も出ていますが。
平野 パートナーやお客さまにはご心配をおかけしています。私は、事業の責任を持つ立場ではありませんが、日本マイクロソフトの特別顧問として、リモートでビジネスのチェックも行うほか、月1回は日本に戻ってきて、お客さまやパートナーとの関係を維持する活動を行います。ビジネスに抜けや漏れがないようします。
―― 平野社長の新たなポジションはいつ決まったのですか。
平野 米国本社勤務が正式に固まってきたのは、2、3カ月前のことです。少なくとも5年という期間は社長でいるつもりでしたから、想定よりもちょっとテンポが速かったともいえます。
―― 次期社長の会見は、平野社長も同席する形になりますか。
平野 どういう形でやるのかはまだ決めていません。
―― 次期社長の条件は何でしょうか。
平野 MicrosoftのCEOであるサティア・ナデラは、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.」(地球上の全ての個人と全ての組織が、より多くのことを達成できるようにする)という企業ミッションを掲げています。この企業ミッションやビジョンに共感する人物であることが大前提ですね。
同じ志を持ち、この価値観があり、共感してもらえていれば、目標の達成方法は次期社長が持つやり方でいいと思っています。一方で、日本マイクロソフトが目指す企業像については、新たな社長の思いを込めて、独自色を出してもらえばいいと思います。
私は、社会を変革し、それに貢献するために、「インダストリーイノベーション」「ワークスタイルイノベーション」「ライフスタイルイノベーション」の3つのイノベーションにフォーカスしてきましたが、切り口は別にして、Microsoftのハイパースケールの力を生かして社会変革に貢献し、結果として“国内クラウドナンバーワン”といった実績につながればいいと思っています。
―― 日本のパートナーや顧客に対して、メッセージはありますか。
平野 とにかく、お礼の言葉しかありません。サティアがCEOになってから、Microsoftはどう変革していくのだろうかと不安に思ったり、その変化に対しては、興味津々だったという人もいると思います。
そうした中にあっても、お客さまには信頼や投資をしていただき、パートナー各社にも強固な関係を築いてくれた。一緒になって変革の道を歩み、チャンスをいただいた。感謝以外の言葉が浮かびません。
その一方で、まだまだできるという気持ちがあります。もっと一緒になって、日本を輝かせるといったところに、パッションを持っていたいですし、米国に移った後もその思いは変わりません。これからも継続的に関係を保ち、お手伝いできることがあれば声をかけていただきたいですね。私が本社にいることをうまく利用してもらいたいと思っています。
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