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» 2019年09月10日 09時00分 公開

特集・日本を変えるテレワーク:テレワークで「阿吽のコミュニケーション」を実現する秘訣は「絵文字」 (2/3)

[武内俊介,ITmedia]

文字だけでは伝わらない

 日常的なコミュニケーションを思い浮かべてみよう。伝える内容ももちろん大事だが、相手の仕草や表情、言い方などのニュアンスから判断していることはかなり多い。特に日本では「阿吽(あうん)の呼吸」という言葉があるくらい、言語化されていない部分で相手に伝える内容が非常に重要である。だからこそ、チャット中心のテレワークでは相当の注意を払わないと真意が伝わらなかったり、誤解を与える可能性がある。

 そこで重要になってくるのが、実は絵文字の存在だ。絵文字は英語圏でも「emoji」という単語になっているほど浸透しており、チャットでのコミュニケーションにはもはや欠かすことができない。月間アクティブユーザーが現在では8000万人以上もあるLINEも、スタンプの導入後にユーザーが一気に拡大した。テキスト中心だからこそ絵文字によって気持ちや意図を相手に伝える必要がある。

チャットツールのChatWork上で絵文字を使って実際にやりとりしている例

 ビジネス上のやり取りで、絵文字を積極的に活用することに抵抗がある人もいるかもしれない。ただ、対面でのコミュニケーションでは仕事でもプライベートでも相手の表情や仕草からさまざまなことを読み取っているはずだ。

 テレワークではお互いの表情や仕草が分からないからこそ、絵文字を使ってニュアンスを伝えてあげることが重要になる。Facebookでもお馴染みの、賛同を意味する親指を立てた「いいね!」や、相手に何かお願いしたり感謝を伝えるお辞儀の絵文字などは使いやすくて頻繁に登場する。

 文字だけのコミュニケーションは、ロジカルにやり取りしようとするほど冷たい印象を与え、時には相手に怒っているように受け止められることもある。そんなすれ違いが続くと仕事はなかなかスムーズに進まない。チャットでのコミュニケーションは絵文字を積極的に活用して円滑なやり取りを心がけることが必要だ。

コミュニケーションのルール作り

 職場での会議や立ち話、そして電話などお互いに同じ時間を共有する必要があるコミュニケーションを「同期コミュニケーション」という。それに対して、チャットやメールなど時間を共有する必要がないものを「非同期コミュニケーション」と呼ぶ。

 テレワークにおいては、後者の非同期コミュニケーションをいかに円滑にできるかに、その成否がかかっている。前述の絵文字の活用もその工夫の一つである。

 非同期コミュニケーションのメリットは、受け手が都合のいいときにメッセージを閲覧できることにある。集中して作業をしたいときに割り込んでくる電話のように、強制的に時間を奪われることはない。しかし、このメリットは送り手にとってはデメリットにもなり得る。今すぐに相談をしたいと思っていても、受け手がメッセージをすぐに見てくれるかどうかは送り手にはコントロールできないからだ。

 同じ職場にみんなが集まっている従来型の働き方では、相手のデスクに行ったり内線電話をかけたりすれば、すぐにコミュニケーションを取ることができるが、テレワークではそれができない。このデメリットを取り上げて、「テレワークはコミュニケーションが疎遠になる」「ビジネスのスピードが落ちる」というふうに言われることが多い。

 このデメリットを解消し、コミュニケーションを円滑にするためには、一定のルールが不可欠である。筆者が考えるテレワークに必要なコミュニケーションルールは4つある。

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