内覧会には、海外から取材に来ているメディアの姿もあった。中国から取材に訪れた王思さんは、狙いについてこう話した。
「ジャンプ作品は全体的に中国でも人気があり、特に小畑健先生の作品も例外ではありません。特に『ヒカルの碁』は、中国でも囲碁が盛んであることから、一大ブームになったこともあります。今回あらためてこうした作品の良さを中国にも伝えていきたいですね」
このようにとりわけ『ヒカルの碁』の人気は、囲碁文化のある東アジア全体でも根強いようだ。後日「小畑健展」を訪れたという台湾出身の男性(29)もこう話す。
「『ヒカルの碁』は台湾でも大人気です。僕自身小学校時代に『ヒカルの碁』と出会い、それをきっかけに囲碁にのめり込みました。今ではすっかり囲碁のアマチュア2段です。囲碁との出会いによって、大学受験など勉学面にもプラスになったと自負しています。自分の人生を良くしてくれたきっかけを与えてくれたことで、小畑健先生には本当に感謝しています」
それにしても、原作者と組みながら大ヒット漫画作品を連発する小畑健さんの仕事の成功のカギは何なのだろうか。ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、小畑健さんが次のように答えた。
「原作の良さを引き出す工夫が自分でもできているのだと思います。自分の中でこうじゃないか、こう描いてしまいがちじゃないかという部分もあるのですが、自分を抑えながら原作のここをこうしたほうが面白いだろうと考えながら描いていっている感じです」
「小畑健展」の東京会場は、8月12日に盛況の中閉会した。9月14日からは、小畑さんの故郷・新潟の「新潟市マンガ・アニメ情報館」で11月10日まで開催される。入場料は、前売り(一般のみ)が税込み1500円。当日料金が一般1500円、中高生800円、小学生600円。
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