ドワンゴが運営するゲーム情報サイト「電ファミニコゲーマー」が1月31日、広報や編集者、宣伝、メディアなどの仕事に就いている人、就きたいと考えている人を対象としたキャリア相談イベント「電ファミキャリア相談会」を開催した。
「出来事・才能・作品を『拡(ひろ)げる仕事』の面白さ」と題したトークイベントでは、『週刊少年ジャンプ』の元編集長である鳥嶋和彦白泉社会長、マーケティングプランナーの小沼竜太リュウズオフィス社長、「電ファミニコゲーマー」の平信一編集長が鼎談し、「拡げる仕事」の醍醐味や面白さを語った。聞き手は、モデレーターを務めたニッポン放送の吉田尚記アナウンサー。
――最初に鳥嶋さんから一言いただいてもよろしいでしょうか?
鳥嶋: 編集者の鳥嶋です。僕の主な興味はどこに才能があって、どういう風に人を組み合わせれば面白いことが起きるのか、それを最前列で見たいということです。いつもその思いで仕事をしてきました。今は白泉社で会長をやっているのですが、マネジメントの仕事って意外とヒマなのです(笑)。それで電ファミニコゲーマーの平編集長に「面白い人がいたら紹介してくれる?」といって、才能がありそうな人を一緒に訪ね歩いている毎日です。水戸黄門のようにね(笑)。今日はよろしくお願いします。
――今、「編集者の」とおっしゃいましたが、鳥嶋さんは現在白泉社の会長です。「鬼の編集者」としても有名です。今日のテーマは「才能、人、作品を拡げる仕事の面白さ」です。まず「拡げる仕事」をするためには、「才能を見つけられる目」がなければなりません。鳥嶋さんは鳥山明さんに出会われたとき、どこに才能を感じられたのですか?
鳥嶋: えーっと……。正直言ってよく分からなかったですね(笑)。ただ原稿がきれいだったんです。原稿がきれいだということは原稿が早く上がるだろうと。だから作家さんのところでずっと原稿を待ったりしなくていいなと思い、「この人に声を掛けてみよう」と思ったのです。
――ではそのあと才能があるという確信に変わられたのはいつなのでしょうか?
鳥嶋: 鳥山さんの才能ははっきりしていて、「漫画を読んでいないところ」が才能なんですね。彼は今でもそうですけど、自分の原稿も描いたらその日に放っちゃうし、『ジャンプ』の漫画も他の作品は一切読まないのです。だから漫画は趣味ではなく、あくまでも仕事でやっている。趣味はプラモデルを作ったり、絵を描いたりですけどね。
つまり、既成概念にとらわれないから新しいものが作れたわけです。そして彼を担当する僕も、集英社に入るまで『ジャンプ』という雑誌があるのも知らなかったし、漫画を読んだこともありませんでした。だから「漫画って何だろう?」と考えながら、鳥山さんと試行錯誤をしていました。こういう状況から始まったので、新しいことをやれたんだと思っています。白泉社に来てからもそうですけど、基本的に漫画は読まないです。好きじゃないから(笑)。
――では、何をなさっているんですか?
鳥嶋: えー……。ゲームをしているか推理小説を読んでいるか、寝ています(笑)。あとは平編集長と出掛けているかね。
――(会場から質問)何のゲームをやっているんですか?
鳥嶋: つい最近知ったクリエイターのゲームはやっておかなきゃいけないと思って、今は「ダンガンロンパ」をやっています。
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