能力を発揮することを阻む要因は、大きく「外的要因」と「内的要因」に分けられます。
外的要因は、いわゆる「外部環境」によるものです。
「新しい技術が導入されたことによって、自分が持っているスキルが陳腐化してしまわないか。それによって自分は職を失ってしまうのではないか」
「ライバル企業との競争が激化することで、社内でコスト削減が一層叫ばれ、賃金まで減らされてしまうのではないか」
「業界の構造自体が大きく変化し、異業種からの新規参入が相次いで、企業間競争に生き残れず、会社自体の存続が危うくなってしまうのではないか」
こうした、自社や自社を取り巻く環境の変化によって不安が募ると、仕事に集中できる度合いが低くなります。
上司としてこうした外部環境の変化そのものを取り除くことはできないでしょう。しかし、こうした変化にどのように対応すべきかを、自分であるいは部下とともに考え、対応策を講じることで、部下の不安を解消することはできるでしょう。
内的要因は、一言で表すなら「恐れ」です。その恐れを構成する要因としては、自分に対する信頼感の低下、やる気の減退、変化への抵抗、無力感、不確実さなどが代表例として挙げられます。
これらの外的・内的阻害要因は、私たちの集中力を低下させて気を散らし、自信をなくさせ、そして情熱を消し去ってやる気を失わせてしまいます。
部下の育成を考えるとき、その前提として「保有能力に大差はない」ということを認識してください。もし業績が振るわない部下がいるとしたら、その持てる能力を発揮することを阻害している要因を特定して取り除くことが上司の役割であると心得てください。
そして、そのように阻害要因を特定して取り除くことこそが、コーチングの本質です。
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