堀江: 予防医療普及協会では、今度糖尿病の映画を作ろうと思っています。糖尿病には、1型と2型がありますが、1型糖尿病のように、自己免疫性、感染症がきっかけで発症する不幸な方もいますけども、多くの方は生活習慣病が原因でなる2型糖尿病ですよね。
金子: そうですね。1型糖尿病を除くと、基本的には生活習慣が原因の2型糖尿病になります。
堀江: そういう人たちに刺さる何かがないと、多分変わらないだろうなと思って、映画を作ろうと考えました。それも糖尿病の恐ろしさを伝えるホラー映画にしようと思っています。糖尿病になると失明しますとか、足を切断しますとか、先ほど怖い話が出てきましたが、それを実際見た人は少ないと思いますよ。
取材したムービーを見ると、患者さんは45歳の女性でしたが、(血液透析により肌も黒く荒れており)めちゃくちゃ老けていました。20歳の頃に糖尿病と言われて、無視していたら足を両方とも切断して、透析を受けることになった方です。
三輪: 足を切断とか、失明とか、言葉で聞いても怖いのは怖いですけど、インパクトはないですよね。でも映像で見ると、日頃から医療に接している私でもやはり怖いなと思いました。あの映像を普段医療に接していない人が見るとかなり怖いのではないしょうか。
金子: 足が腐っている映像はえぐいですね。実際に足が腐っている患者さんは、匂いもすごいですし。
堀江: どんな匂いがするんですか。
金子: 腐っている匂いがします。
三輪: 膿の匂いですね。
堀江: 自分では臭くないのですか?
金子: 匂いがするとは思っていますが、慣れているんでしょうね。腐っていても神経をやられているので、痛くないんですよ。それで自覚症状がない。
堀江: でも布団とか汚れますよね。
三輪: 浸出液が出るので、汚れると思います。
堀江: どうやってケアしているのですか。
三輪: 化膿していたら洗浄して、悪い組織を削いでいきます。肉片が形成するところまで削って、肉が形成されるのを待ちます。
金子: 腐っているけど問題だと思っていない人も中にはいます。腐っている足を、そんなものかなと思って放置しているんですね。
堀江: 自分の健康に無関心で、それよりも甘いものをたくさん食べたいと考えているみたいな状態ですか。
三輪: 結果的にはそうですよね。
金子: もちろん全員じゃなくて一部の方ですよ。ただ、1000万人の1%でも、10万人になります。その人たちが病気だと理解していなければ、それだけひどい状態になってしまうということですね。
堀江: 病院に行きたくない気持ちもあるのでしょうか。
金子: 病院に行っても、なんとなく薬だけもらっているとか、病院に行っているから大丈夫といって、自分の糖尿病を積極的にコントロールしようと思っていない人は結構多いかもしれないですね。
堀江: 薬を飲んだらある程度コントロールできますよね。
金子: コントロールできる薬は増えてきています。だからこそ、糖尿病を理解して予防していくことと、早いうちに治療を受けることが非常に大事です。
三輪: インスリンを注射しなければならない状態になっても大変ですよね。薬を飲まない人たちが注射できるかといわれると、難しいと思います。
堀江: インスリンを注射する前の段階までに治さないといけないですね。
金子: おっしゃる通りです。元の状態に戻れなくなる「ポイント・オブ・ノーリターン」を超える前に、きちんと治療することが必要です。
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