10月24日から11月4日まで、東京ビッグサイトで開催されている東京モーターショーの見どころを、4回に渡ってお送りしてきた。
東京モーターショーは今大きな分岐点にある。それは東京ショーのみならず、中国を例外に、フランクフルトショーを筆頭に世界中のモーターショーも同様で、実質的に自動車メーカーが主催するモーターショーの役割が終わりつつあることを明確に示しているからだ。
東京ショーに出展する主要海外メーカーは、ダイムラー(ベンツ/スマート)のみ。ほかのメーカーはスルーするか、場合によっては同時期に他のイベントを開催するというていたらくで、東京ショーを盛り上げようとする気持ちはこれっぽっちもないように見える。これは海外のショーに日本のメーカーが消極的なことを考えれば、グローバルな問題だ。
岐路に立たされた東京モーターショー
すでに海外メーカーからは完全にそっぽを向かれた東京モーターショー。主催団体である日本自動車工業会(自工会)は、前回にも増して厳しい危機感を持っている。しかし今回は、やり方がとてもトヨタっぽい。クルマ業界だけでなく「オールインダストリー」で広く開催し、未来のモビリティ社会に向けて「オープン」に進化/拡張していくと定義している。
スバルはこれからもAWD+ターボ+ワゴン
スバルは東京モーターショーで新型レヴォーグを出品した。レヴォーグはそもそも日本国内マーケットを象徴するクルマである。スバルは、日本の自動車史を代表するザ・ワゴンとして、レヴォーグはGTワゴンという形を死守する覚悟に見える。
「超小型EV」でEVビジネスを変えるトヨタの奇策
モーターショーに出品されたトヨタの「超小型EV」。これは多分東京の景色を変える。EVの最大の課題は高価なバッテリーだ。「値段を下げられるようにバッテリーを小さくしよう」。いやいやそんなことをしたら航続距離が足りなくなる。だからみんな困っているのだ。ならば、航続距離がいらないお客さんを選んで売ればいい。これがトヨタの奇策だ。
マツダのEVは何が新しいのか?(前編)
東京モーターショーの見どころの1つは、マツダ初のEVであるMX-30だ。クルマの生産から廃棄までの全過程を通して見たときのCO2負荷を精査した結果、35.5kWhというどこよりも小さいバッテリーを搭載した。世の中の流れに逆らって、とことん真面目なEVを追求した結果出来上がったのがMX-30だ。
マツダのEVは何が新しいのか?(後編)
「MX-30は魂動デザインなのか?」。答えはYesだが、第7世代の陰影デザインは、MX-30には緊張感がありすぎる。そこでさらに「陰影」自体も取り去った。そこに残ったのは優しくて健全なある種の健康優良児のような姿だった。
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