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» 2019年11月25日 07時00分 公開

ハレザ池袋、電気バスが開業:変わりゆく池袋 “暗い、怖い、汚い”を一掃する再開発、意外な2つのポイント (2/4)

[加納由希絵,ITmedia]

再開発の背景に「消滅可能性」

 「当時は驚きましたが、あれがあったからこそ、今の豊島区があると思っています」。豊島区広報課長の佐藤智子氏はそう振り返る。

 14年、豊島区は日本創生会議が公表した「消滅可能性都市」に、東京23区で唯一該当。少子化や人口移動によって維持できなくなる可能性がある自治体として、大都市を有する豊島区が指定されたことは衝撃的だった。具体的には、20〜39歳の若い女性が大きく減少すると予想されたのだ。

 当時の豊島区は、行政サービスの整理などによって深刻な財政難から脱しつつあり、新しい取り組みに向かう機運が高まっていたところだった。また、池袋では客引きの取り締まりを強化するなど、「安全・安心」の街にするための取り組みも進めていた。

 その矢先の消滅可能性都市への指定。ショックと危機感をばねに、「住みたい」「訪れたい」街を目指す取り組みは一気に加速することになる。

 女性、さらにはファミリーが暮らしやすい街づくりを担う担当部署を設置し、住民の声を集めることから始めた。16年には、区内の主要企業や大学などと連携し、上司が率先して部下のワーク・ライフ・バランスを支援するという「イクボス宣言」を実施。また、認可保育園を増設し、17、18年度は待機児童ゼロを達成した。

 そして18年7月、豊島区の人口は40年ぶりに29万人を突破。消滅可能性都市に指定された14年と比べると、1万5000人の増加となる。約1割を占めるようになった外国人住民の存在感も大きい。

 「若い女性が暮らしやすいというのは、高齢者や障害者が暮らしやすいことにもつながる。結局、目指すところは“みんなが暮らしやすい街”なのです」(佐藤氏)

11月27日に定期運行を開始する電気バス「イケバス」

 池袋の再開発加速にはそういった背景がある。文化施設や商業施設による集客で街を活性化させるだけではない。“暮らしやすさ”への視点が欠かせないのだ。

 再開発プロジェクトの中でそれがよく表れているのが「公園」と「トイレ」だ。

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