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法人向けプラチナ、ブラックカードはなぜ伸びる? 昨対3倍成長のラグジュアリーカード(3/3 ページ)

» 2019年12月24日 07時40分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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――ラグジュアリーカードは金属製というのが大きな特徴だ。なぜ金属製にしたのか?

 金属製はすごく珍しい。現在、毎日持って歩くものはすごく少なくなった。携帯とクレジットカードと現金くらい。その中でクレジットカードを持つなら、楽しみや喜び、そういうところを含めて、プラスチックよりも満足度、価値観を表示したいという意味で金属製のカードを開発した。

ラグジュアリーカードでは、ゴールドの年会費が最も高く20万円(税別)。招待制を取っている

 日本では、金属製のカードは、あるとしても招待制のカードだ。一般公開している中で、金属製カードは日本初。金属なので、電波も発生する。決済のときに電波が出たら決済できないなど、製造のプロセスも複雑だ。費用としても圧倒的に高い。日本では製造できず米国でアカデミー賞のオスカー像などを作っているところで仕上げている。

 ラグジュアリーカードでは、最上位カードがゴールドだ。ほかのカードブランドとちょっと違う道を歩むということで、ヒエラルキーも含めて変えている。表面に純粋な24金を利用して仕上げている。100%金属だ。

 すごく丈夫なので、カードの有効期限も5年間にしている。財布に入れても美しい輝きを保ったまま。家族カードも含めて金属製を提供している。もし紛失しても無料で再発行も行う。


 法人向けクレジットカードというと、創業間もない企業では作れないというイメージもあった。しかし、ラグジュアリーカードを含め、昨今の法人向けカードでは、発行する個人に対して与信を行い、法人の銀行口座で決済を行うものが増えてきている。法人の決算書なども不要だ。高額な年会費も、法人ならば経費として処理できるほか、事業用費用をクレジットカードで払えば、ポイントも還元される。こうしたところが、中小企業のオーナーに評価されている。

 金属製クレジットカードといえば、Appleが米国で発行を始めたApple Cardが話題を集めたが、国内での提供はこれからだ。初めて金属製カードに触れたが、重さは約20グラムと通常のカードの4倍あり、ずっしりとした質感は明らかにプラスチック製とは異なるものだった。

 5万円、10万円という、ほかのクレジットカードと比較するのが難しいほどの年会費は、コンシェルジュサービスを使いこなせるかどうかにかかっている。10万円でも1日あたりに割れば300円程度という計算も成り立つが、「時間をカネで買う」という意識を持てるかどうかが評価の分かれ目となりそうだ。

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