クラウドローンの流れはこうだ。まず、住んでいる地域、家族構成、年収、雇用形態、利用目的などを登録する。この際、名前や住所、電話番号などの個人情報は入力の必要がない。
登録された情報を各銀行の担当者が見て、ローン提供の基準にマッチしている場合は、プラットフォーム上で、利用可能な金額や金利のオファーをユーザーに出す。各銀行から来たオファーをチェックして、ユーザーは申し込みたいローンを選択。各銀行の申し込みページから個人情報などを入力して申し込むという流れだ。
匿名で申し込めるため気軽だというだけではない。各銀行が内部で持つ最低限の基準をクリアしている場合だけオファーを出すため、申し込んだ場合の審査通過率は7割程度を想定しているという。ユーザーからすれば、無駄な申し込みをしないで済む。
ローンが申し込まれると、銀行は日本信用情報機構(JICC)に信用照会をかけるが、その際に照会の履歴が残ってしまう。審査確度の高いところだけに申し込みをすることで、信用情報をキレイに保つことができる。
クラウドローン側でも、匿名でのマッチングはメリットがある。「金融庁から貸金業法の融資の媒介に当たらないという判断をもらうことができた」(村田氏)と、スピーディーな事業開始につながった。
当初は、ニーズの高いマイカーローンと教育ローンに絞ってサービスを提供する。銀行のマイカーローンは、修理や車検、自動車学校の費用にも利用でき、クルマの所有権はユーザーにあるため売却や貸与も容易だ。クルマの購入前から事前与信枠を取ることもできるといったメリットもある。
教育ローンも、社会人の資格取得や英会話学校などにも利用できる。金利だけでなく、さまざまな点で、銀行のローンのほうが実は利便性が高い。
各銀行は、マイカーローンや教育ローンだけでなく、さまざまな目的向けにローンを用意しており、クラウドローンは今後、そのほかの無担保個人向けローンにサービスを広げていく考えだ。さらに一般にカードローンと呼ばれる目的なしの無担保ローンにも展開していく。
現在提携している銀行は、地方銀行6行だが、「メガバンクのほか、20行程度の銀行や、4つほどの信用金庫とも話をしている」と村田氏。ローン成約時に銀行から手数料をもらうビジネスモデルのため、銀行側に提携の負担もない。今後、数多くの銀行の参加を見込んでいる。
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