早速ですが、そもそも「空気」とは何なのでしょうか?
山本七平氏の名著『「空気」の研究』は、私も随分と学ばせていただきましたが、そこには次のような説明があります。
それは(空気とは)非常に強固でほぼ絶対的な支配力をもつ「判断の基準」であり、それに抵抗する者を異端として「抗空気罪」で社会的に葬るほどの力をもつ超能力である。
なるほど。子どもがいない25〜44歳の既婚者・未婚者のうち、子どもが欲しい気持ちがある・あった男性に「今後、子どもが生まれた場合に、育児休業を取得したいですか?」と聞いたところ、「ぜひ育児休業を取得したい」と「できれば育児休業を取得したい」を合わせると、実に7〜8割が育休を希望しています(明治安田生活福祉研究所「2018年 25〜44歳の子育てと仕事の両立」より)。
こんなにも多くの人たちが育休を取りたいと考えているのに、育休取得率が6.16%と絶望的に少ないのは、「空気=社会のまなざし」が影響していることを、私は否定しません。
実際に、私がインタビューした人たちの中にも、
「育休? まさか遊びたいだけじゃないよな?」
「戻ってきたときには席はないと思っていたほうがいいぞ」
「女性社員が増えて、育休だ、時短だって現場はてんやわんやなのに、育休取るって? どういう神経してるんだよ」
「あそこのダンナさん、育休だって。結構なご身分ね〜」
など、社内だけでなく、ご近所さんからも、白い目で見られた経験を話してくれた人たちは少なくありませんでした。
が、問題はここからです。
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