リスクが発生した際には「情報リテラシー」がいかに大切かをあらためて思い知らされる事例だが、その一方でこの問題は「デマに踊らされた」という言葉だけでは片付けられない部分もある。実は、紙不足になるという話は「デマ」だと分かったうえで、列に加わっていた人もかなりいたのだ。
実際、某情報番組が列に並んでいた人にマイクを向けたところ、「デマなのは知っているが、みんな並んでいるし、なくなったら困るから」なんて言葉が返ってきていた。行列参加者のSNSにも同様なコメントが多い。
このような現状を踏まえると、今回の現象は「デマに踊らされた」というよりも、「買い貯めに走るみんな」に引きずられる形で、「自ら進んでデマに踊らされにいった」といったほうがしっくりくる部分も多々あるのだ。
では、なぜ在庫がたくさんあると分かっているのに、トイレットペーパー行列できてしまったのか。
「自分さえ良ければいいという人間が多いからだ」「マスゴミが報じるから不安をあおられたのだ」などいろいろなご意見があるだろうが、筆者は、これまでもたびたび日本を危機的状況に追い込んできた「みんな至上主義」がまん延しつつあるからではないか、と思っている。
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