在庫はたくさんあるのに、なぜ“トイレットペーパー行列”ができたのかスピン経済の歩き方(7/7 ページ)

» 2020年03月03日 08時15分 公開
[窪田順生ITmedia]
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「みんなを守れ」と叫びながら破滅の道

 新型ウイルスばかりでパニックになっているが、これから日本にはほぼ間違いなく発生する、首都直下型地震や南海トラフ地震が控えている。梅雨になればまた水害もあるだろう。ある意味、「危機」が日常になってくるのだ。

 そんな厳しい環境の中で、これまで死屍累々の「昭和型危機管理」が通用するとは到底思えない。今回のパニックを、真摯(しんし)に受け止めて、「危機が起きた際に何を犠牲にして、何を守るべきなのか」という優先順位を決めておかなければ、「みんなを守れ」と叫びながら破滅の道を歩むだけなのではないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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