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20卒学生、「安定志向」が多数派? 年功序列、評価制度について聞いたところ……16卒の調査結果とも比較

» 2020年03月16日 14時47分 公開
[ITmedia]

 リクルートキャリアはこのほど、2020年3月卒業予定の大学生・大学院生に対して実施した「働きたい組織の特徴」に関する調査結果を発表した。調査結果によると、年功序列給与や、一律横並びの待遇といった、いわゆる「日本式雇用慣行」に対して肯定的な学生の方が多数派を占めていることが分かった。同調査は毎年実施しているもの。

「安定志向」の学生が多数派に(出所:ゲッティイメージズ)

 調査では、「働きたい組織」の「貢献と報酬の関係」について質問。「A:給与は高いが、個人間で待遇に大きく差がついたり、降格になったりする可能性は大きい」と、「B:給与は低いが、個人間で待遇に大きく差がついたり、降格になったりする可能性は小さい」のどちらが良いか聞いたところ、Aを選んだ学生は全体の49.5%。Bを選んだ学生は50.5%で、僅差ながら「旧態依然」とした横並びの報酬体系を持つ組織を支持する学生が多数派に。

 ただ、20卒と同じ「3月」に採用選考の広報“解禁”があった16卒の調査結果と比較すると、Aの回答率は2.5ポイント増加(同じくBは2.5ポイント減少)。わずかではあるが、学生側の意識も変化しているようだ。

「横並びの待遇」を支持する学生が多数派(出所:リクルートキャリア調査)

 また、「A:入社直後の給与は低いが、長く働き続けることで後々高い給与をもらえるようになる」と「B:入社直後から高めの給与をもらえるが、長く勤め続けてもあまり給与が増えない」のどちらがよいかも質問。こちらはAが圧倒的に多く、75.4%が回答。学生の強い「終身雇用志向」が浮き彫りになった。

「年功序列」支持は4人に3人という結果に(出所:リクルートキャリア調査)

 大企業を中心に、人手不足やグローバル化による競争の激化を理由として、これまでの「慣行」から脱却しようという動きが出始めている。しかしながら学生側は、まだまだ「安定」や「終身雇用」を求める人も多い結果となった。企業側にとっては、学生へ魅力的な職場を作るとともに、競争力を高められる組織づくりという、難しい局面となっている。

 調査はリクルートキャリアが運営する就職支援サイト「リクナビ2020」の会員で20卒の学生を対象にインターネットで実施。19年5月9日〜6月1日の期間で、6306人を対象に行った。

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