土肥: 次に、今回のキャンペーンについて聞かせてください。そもそもどういったきっかけで、ヒシタンクのプラモデルをプレゼントすることに?
安口: 以前から「公式アカウントを使ってSNSをやりたいなあ」と考えていました。4年ほど前からアメリカに進出していて、自社製品の認知度をアップさせなければいけないといった課題がありました。そのひとつのツールとして、「SNSがいいのでは?」と考えたんですよね。ということで、19年3月にTwitterを始めました。
そして、ヒシタンクに関係するキャンペーンを実施しました。エコバッグなどを用意して、プレゼントしていたのですが、応募者はそれほど多くありませんでした。受水槽はB2Bの製品ですが、一般の人にも認知させるにはどうすればいいのか。いろいろ考えてみたところ、展示会でのことを思い出したんですよね。展示会で実物を見せることが難しいときがあって、そうしたときのためにミニチュアのヒシタンクをつくっているんです。そうすると、そのミニチュアに興味を示す人がいました。中には「これを売ってください!」という人も。
非売品なので、ミニチュアを売ることはできません。ただ、よくよく考えてみると、世の中にはさまざまなジャンルでファンがいますよね。ダムや室外機などでもファンがいることが分かってきたので、受水槽にもファンもいるのではないかと考えました。
ちょっと話は変わりますが、建設業界で仕事をしていると、「あの有名な建物に、オレは携わったんだ。そのときに、受水槽があったなあ」とか「あの建物の受水槽を設置したのは、オレだ」といった感じで、話をする人がいます。そうした人たちにも、受水槽のプラモデルはウケるのではないかと考えました。で、ヒシタンクのプラモデルをつくって、それをプレゼントしようと企画しました。
土肥: レアなファンに刺さるはずだ、と見込んだわけですね。これまでプラモデルの仕事に携わったことはないと思うのですが、どうやって完成させたのでしょうか?
西道: プラモデルをつくっているメーカーさんに、話をもっていきました。しかし、あまりいい返事はなかったんですよね。「ウチは、アート作品しかやらない」とか「ロットが足りないから難しい」といった感じで。
土肥: まあ、受水槽をアート作品に仕上げるのは難しそう(笑)。期間限定のプレゼント企画でもあるので、10万も20万もつくることはない。で、どうしたのですか?
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