入居待ち6500人! デンマーク発のコンテナ住宅が熱望される理由住民満足度90%(3/6 ページ)

» 2020年04月23日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

プロトタイプを作り、法改正を求める

共同経営者のFrederik Noltenius氏(写真右)とMichael Plesner氏(写真左)

――家をそのまま動かすとは、ユニークなビジネスアイデアですね。ぜひ起業ストーリーについても聞かせてください。「CPH Village」は、どのように立ち上がったのでしょうか?

 当社は、私と共同経営者のMichael Plesnerの2人で立ち上げました。私たちは共通して政治学のバックグラウンドを持っており、これまで大企業や非営利団体で「持続可能性」をキーワードにさまざまな事業に携わってきました。特に大企業で感じたのは「持続可能性」の観点で見ると、そもそもスタートポイントが間違っているということ。すでにあるプロダクト、ビジネスモデルともに、この先何十年も継続できるとは到底思えませんでした。

 間違ったスタートポイントから始めたものを起動修正するのは難しい。私たちは、そういった企業のサービスやビジネスモデルを持続可能なものに変えたいという同じパッションを持っていたことから、2014年に起業に至りました。現在も経営は2人で行っています。

――斬新なビジネスアイデアを現実にする過程で、苦労したことはありますか?

 誰もやったことがない事業ですから、プロトタイプ製作は時間をかけて慎重に進めました。安全性に考慮するため何度もテストを重ねて、最終的に最長で40年間の連続利用が可能なコンテナ住宅のプロトタイプが完成しました。

プロトタイプ

 さらに、私たちはにはもう一つやるべきことがありました。前代未聞のビジネスを始めるには、法律を変える必要があったんです。私たちはデンマーク議会に出向き、デンマークの学生用住宅不足の危機を救うソリューションとして、法改正を求めました。結果的に3年の月日を費やしましたが、ビジネス大臣の提案を通じて可決されました。

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