――「CPH VILLAGE」が若い学生たちから反響を得ているのは、なぜだと思いますか?
私たちが住民に提供しているのは、「スペース」「サービス」「コミュニティー」の3つで、これらの相互作用が評価されている理由だと思います。
コンテナ住宅は、個人で自由に使える面積は限られているもののDIYがしやすい仕様にしているため、住民たちは好みの家具を置き、思い思いの装飾を施して、小さなスペースを有効活用しています。
家賃が安いからといってサービスの質を落とすことはありません。コンテナ住宅は断熱材、窓、換気システムなど、従来の住宅と変わらない設備を持っています。唯一異なるのは家そのものを移動できることだけ。また、余計なモノを所有せずに済むようにプリンターやDIY用の道具類、掃除機などは運営側で用意し、住民同士でシェアすることで利便性を高めています。
コミュニティー運営も私たちが注力しているポイントで、住民たちと一緒に計画しながら村の外観デザインを作ったり、交流が生まれるようなイベントを催したりしています。
住民が自主的に主催するコミュニティーディナーも不定期で開催されており、これは交流促進だけでなく、環境保護の面でも良い取り組みです。168人が個別で食事をするのに比べてエネルギーが削減できるし、フードロスにもつながるかもしれません。
住民への満足度アンケートでは、10点中9点という好評価を得ていて、「コミュニティーでの出会いや空間が気に入っている」「ロケーションが最高」といったコメントが寄せられています。
また、同時に住宅の機能性に関しても住民へのヒアリングを通じて、データを蓄積しています。住宅業界では建設と不動産の分野が切り離されていて、消費者のデータを十分に蓄積できていない課題があるからです。何が効率的に機能していて、何が機能していないかを知ることで、よりムダがなく住みやすい住宅に改善したいと思っています。
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