クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

ホンダの決算から見る未来池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/7 ページ)

» 2020年05月25日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

地域別 日本、北米、中国の数値

 さてこの増減で何が分かるかといえば、ビジネスのやり方そのものは間違っていなかったが、とにかくコロナの影響でクルマが売れなかったということになる。では、一体売れなかったのはどこか? 地域別の数値を見ていく。

日本の状況 68万9千台(咋対比92.0%)
米国の状況 1537万台(咋対比95.4%)
中国の状況 1441万台(咋対比98.3)

 数字を見る限り、中国の落ち込みはとても小さい。むしろ全需が84.6%まで落ち込む中で、よく防戦している。実はホンダの中国生産は約半分が武漢工場である。地域的に見て、むしろ厳しい状況を迎えるはずだったにも関わらず、落ち込みが小さい理由は、武漢第3工場の操業開始がある。つまり19年度は、生産キャパシティを積み上げており、コロナ問題がなければ、本来もっと中国販売が増える予定だったからだ。つまり第3工場操業以前の対前年比で見て、マイナスが小さいという形になっているだけで、本来ここは大幅なプラスを見込んでいたのだ。

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