さてこの増減で何が分かるかといえば、ビジネスのやり方そのものは間違っていなかったが、とにかくコロナの影響でクルマが売れなかったということになる。では、一体売れなかったのはどこか? 地域別の数値を見ていく。
日本の状況 68万9千台(咋対比92.0%)
米国の状況 1537万台(咋対比95.4%)
中国の状況 1441万台(咋対比98.3)
数字を見る限り、中国の落ち込みはとても小さい。むしろ全需が84.6%まで落ち込む中で、よく防戦している。実はホンダの中国生産は約半分が武漢工場である。地域的に見て、むしろ厳しい状況を迎えるはずだったにも関わらず、落ち込みが小さい理由は、武漢第3工場の操業開始がある。つまり19年度は、生産キャパシティを積み上げており、コロナ問題がなければ、本来もっと中国販売が増える予定だったからだ。つまり第3工場操業以前の対前年比で見て、マイナスが小さいという形になっているだけで、本来ここは大幅なプラスを見込んでいたのだ。
- 象が踏んでも壊れないトヨタの決算
リーマンショックを上回り、人類史上最大の大恐慌になるのではと危惧されるこの大嵐の中で、自動車メーカー各社が果たしてどう戦ったのかが注目される――と思うだろうが、実はそうでもない。そして未曾有の危機の中で、トヨタの姿は極めて強靭に見える。豊田社長は「トヨタは大丈夫という気持ちが社内にあること」がトヨタの最大の課題だというが、トヨタはこの危機の最中で、まだ未来とビジョンを語り続けている。
- 新型コロナ恐慌がもたらすマーケット変化
新型コロナウィルスの登場によって、今まさに進行形で世界経済はパニックに陥っている。自動車産業も全体としては大変厳しい局面を迎えるだろう。5月発表の各社の決算は多くが赤字に沈むだろう。今手元にある材料で判断する限り、比較的復興が早いと思われるのは、米国と日本になるのではないか?
- ホンダの決算 バリエーション7割削減の意味
増収減益ながら、欧州の工場閉鎖など減益は一過性となるホンダの決算。そして来期に向けては、無駄な派生車種を3分の1に削減し、基礎設計を共通化する「ホンダアーキテクチャー」の導入も進める。
- 見えてきたホンダのMaaS戦略
ソフトバンクとトヨタ自動車が共同出資して立ち上げたMaaS企業「MONET」に、ホンダが資本業務提携する。同時に、MONETは88社が参加するコンソーシムも立ち上げた。なぜオールジャパンのコンソーシムが必要なのか。またホンダの狙いはどこにあるのだろうか。
- それでいいのかホンダ!?
ホンダが中国で新たな工場を建設する。これは白紙撤回されたはずの600万台体制の計画の一部だと筆者は見ている。しかし、ホンダが今やるべきことはほかにあるはずではないだろうか……。
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