マーケティング・シンカ論

withコロナの時代、B2Bマーケティングはどうなるか大きな試練に(1/3 ページ)

» 2020年05月30日 07時06分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 新型コロナウイルス禍による緊急事態宣言が解除されたとはいえ、これからビジネス界は本当に大きな試練に挑むことになる。それは、我々マーケティングに携わる者においても例外ではなく、クライアント(ブランド)側、パートナー(施策実施)側にしろ、これからの「withコロナの時代」、どのように、商品サービスのマーケティングを考え、実施していけばいいのか、不安だらけだろう。もはや3カ月前の様相とはまったく異なっている。

新たなマーケティング施策を模索

 メディアでは、飲食業界や観光業など、B2Cよりの報道が多く、2カ月以上の休業など、インパクトも大きいため、どうしても目はそちらに向いてしまうが、B2B企業においても、コロナ禍による影響は甚大で、マーケティング業界に身を置く立場としても例外ではない。

 状況として顕著なのは、まず、依頼側(クライアント側)の業績の大幅なダウンによって、全体の予算が削減されるということだ。そうなると、これまで以上に、より費用対効果の高いことをやらなければならないのだが、いかんせん、もとになる予算が今後かなり削減されるので、手段も限られてくる。

 昔から、不景気になると抑えられる経費は3K(交際費、広告費、教育費)と言われるように、宣伝広告を中心としたマーケティング経費は、真っ先に削られることも多い。

 特に、中小企業においては利益が飛ぶどころではないのだが、とはいえ人の根本的なニーズが変化しているわけではなく、人が密集しないなかでの新たなマーケティング手法を模索していくしかない。従来の広告、販促手法が大きく変化するのは間違いないだろう。

 分かりやすいところでいけば、少なくとも今上半期における、イベントや大規模のセミナーなどは、ほとんど中止になっており、代替として、オンラインでのライブセミナーにしたり、セミナーを映像収録し、動画配信のプラットフォームやオウンドメディアに乗せるといった手法を採り出している。

 間違いなく、オンラインによる告知、見込み客獲得を狙う施策に転換する企業が増えているのだが、多くの企業にとって、配信用のコンテンツは圧倒的に不足している(やってこなかったので当たり前なのだが)。また、オンラインによるプレゼンテーションもこなれておらず、ドキュメントにしても、これまでのオフラインでのプレゼンテーションを前提としたものだ。

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