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オンライン面接で「一度も会わずに」新卒採用 USEN-NEXT HD人事部門がつかんだコツ「障壁は全くない」(1/3 ページ)

» 2020年06月09日 08時00分 公開
[吉村哲樹ITmedia]

 新型コロナウイルスの影響で、多くの企業の新卒採用活動が停滞している。そんな中、いち早く全ての採用プロセスをオンライン化した企業がある。USEN-NEXT HOLDINGSだ。同社は店舗・施設用のBGMを有線放送で配信するUSEN、動画配信サービスを提供するU-NEXTなどを傘下に抱える。

photo USEN-NEXT HOLDINGSの住谷猛氏(執行役員 コーポレート統括部長)

 USEN-NEXT HOLDINGSが「全ての選考プロセスをオンライン化する」と発表したのは今年2月のことだった。同社の人事部門を率いる住谷猛氏(執行役員 コーポレート統括部長)によれば、以前から採用活動に大々的にWeb会議を導入しており、今回のコロナ対策のための全面オンライン化に当たっても障壁は全くなかったという。

 「当社は2年前から採用活動のオンライン化に取り組んできました。主な目的は、地方に住む学生の方々の機会損失を解消することにありました。地方の学生の方々は、就職活動で上京するための交通費や宿泊費がかさんだり、移動のために長時間を要したりするなど、都会に住む学生の方々と比べるとハンディキャップを抱えています。そこで面接にWeb会議を取り入れることによって、こうした問題の解消を図ったのです」

 その結果、今年入社した新入社員の中にも、4段階ある全ての面接をオンラインで行った者も数人いるという。応募者全体の中でオンライン面接を希望するのは、昨年までは1割程度だったが、地方に住む学生に限ると3〜4割の学生がオンラインで最終面接を受けたという。

 「オンライン面接の導入は、当社にとっても大きなメリットがあります。東京や大阪といった都市部での採用活動は他社との競争が激しく、ときには優秀な人材をとられてしまうこともあります。しかし地方にも優秀な学生の方々はたくさんいらっしゃいますから、オンライン面接を通じてそうした方々にアプローチしたいという狙いもありました」(住谷氏)

「全て」オンラインにこだわる理由

 2年間に渡ってオンライン採用活動を進める過程で、さまざまなノウハウを蓄積していた同社。そのためコロナ禍に伴う全面オンライン化では、大きな不安はなかったという。「全ての」採用プロセスをオンライン化するというのは、傍から見ると極めて大胆な施策のようにも見えるかもしれない。しかし住谷氏によれば「全て」にこだわったのにはれっきとした理由があるという。

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