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銀行も前例こえて賛同 「#取引先にもリモートワークを」運動に共感が集まる理由アフターコロナ 仕事はこう変わる(3/4 ページ)

» 2020年06月22日 07時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

「取引先のことを考えている」姿勢を示せる

――賛同企業は具体的にどのような取り組みをしていますか。

山本: 前述のように、今できることを表明してもらっているので、奇をてらったものはありません。商談はビデオ会議などを使って非対面で行う、領収書や請求書の押印タイミングをまとめるなど、基本的なことが中心です。

 私はfreeeで金融機関とのAPI契約を担当していますが、ある賛同企業との契約では、例外として「後で契約書に押印する」ことを認めてくれて、外出自粛期間中にAPI連携を開始することができました。

――賛同企業の取り組みの効果や反響などはありますか。

山本: このアライアンスは、「自社でリモートワークを導入する」と「取引先にリモートワークの選択肢を与える」だと、後者にフォーカスしています。賛同企業が社内に対してこの方針を示すことで、営業などの担当者は社外にそれを説明できます。「取引先のことを考えている」姿勢を示すことにつながるのです。実際に取引先と接している営業さんが「ありがとう」と言ってもらえるような取り組みとして認識していただいています。

 また、SNSでは、賛同企業以外のビジネスパーソンの方からもポジティブな反応が見られます。それによって、こちらから声を掛けた企業以外でも、賛同企業が増えています。

――課題に感じていることはありますか。緊急事態宣言の解除後は、リモートワークの考え方も企業によって違いが見られます。

山本: 新しく賛同企業も募っていますが、「緊急事態宣言が解除されても、新しい働き方を続けていかないといけない」という企業と、「解除後、本当にリモートワークを続けていくか分からない」という企業で、温度差があるように感じます。

 6月からは出社が解禁された企業も多く、発信の仕方も考えなければいけません。そこで、主要な賛同企業からの意見もいただき、「仕事のやり方、元通りはもったいない」という発信をしています。取引先を含めて、相手を思いやる働き方を続けていこう、というメッセージです。

 自社の働き方は経営判断で決められますが、実際の業務では、取引先との関係によって行動が制約されることも多いです。取引先企業のことも考えた上で、働き方を選べるようにできればいいですね。

6月1日に発表した宣言「仕事のやり方、元通りはもったいない。」

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