庄崎: 足場は耐用年数が長いんです。30〜40年ほど持つので、長く使える。レンタル会社としては長く使ってもらえればもらうほど、もうかる仕組みができあがるので、コスト面を考えると新しいモノを導入しにくいんですよね。
そうした状況を変えるにはどうすればいいのか。じっと待っていてもなかなか変化させることはできないので、一気に認知を広めることが大切だと考え、テレビCMを打つことにしました。もちろん、営業活動にチカラを入れたり、展示会で出展したり、さまざまなことをやっていて、そのうえでマス広告を打つことに決めました。
で、結果はどうだったのか。どこまで効果があるのか心配だったのですが、多くの人から「見たよ」といった声をいただきました。また、取引のある会社だけでなく、建設関係の仕事をしている人からも反響がありました。
土肥: ふむふむ。裾野が広がったこともあって、売り上げが伸びていったわけですね。それにしても、低い足場が長く使われてきた背景に、製品の構造が関係しているなんて考えたこともありませんでした。
庄崎: この市場に参入しようと思っても、大きな障壁があるんですよね。それは「製品寿命が長すぎる」こと。メーカーとしては「どんどんつくりたい」。しかし、寿命が長すぎるのでつくるにつくれない状況が続いてきました。その一方で、先ほど申し上げたように、レンタル会社は長く使えば使うほどもうかる仕組みがあるわけです。
土肥: タカミヤの場合、メーカーとしての立場、レンタル会社としての立場、両方を抱えているので、一気に普及させる戦略をとることができたわけですね。ちなみに、高さ190センチの足場が売れたとなると、「次は195センチだ、いや2メートルだ」といった話が出てくるのでは?
庄崎: 欧米では2メートルを超えているモノがあるんです。一方、いまの日本にそのような高さの足場はありません。平均身長が高いオランダの場合、高さ2メートル20センチの足場があります。体格の差があるので、日本でそのような高さの足場を導入するのは難しいでしょう。足元の板を組んでいくときに、手が届かないといった事態になるので。
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