米国ではハイブリッド型が伸びたが、日本国内では状況が違う。では国内のロボアドでは、今後はどんな戦略が考えられるのだろうか。個々人のニーズに合わせて、より個別にカスタマイズしたポートフォリオを提供することを検討しているとマット氏は話す。
「提携先は顧客の情報を持っている。その情報を使って、よりカスタマイズされた個々人のニーズに対応できる可能性がある。例えば家族構成、住宅ローン、他の金融資産などを答えてもらえば、本来のニーズに厳密に応えることができるだろう」(マット氏)
各人のリスク許容度に従って最適なポートフォリオを作るには、本来ならば預貯金や住宅なども含めた総資産の中で、どの程度を株式などのリスク資産に回すかを考える必要がある。しかし、現在のロボアドは預かった資産の中だけでポートフォリオを作っている。そのポートフォリオだけを見れば最適であっても、資産全体として最適かは分からない。
柴山氏は、日本に長期・積み立て・分散投資を定着させる役割をロボアドが担っていると自負する。現在WealthNaviを利用している21万人が、このコアとなっていくという考えだ。
「20万人の成功体験を作り出したい。リーマンショックのデータを見ても、長期・積み立て・分散によって乗り越えていけることはデータ上分かっている。今回のコロナショックについても、乗り越えられるという成功体験を作り出したい。その方々は、次のショックも乗り越えられると思う。それが周りにも伝わる、勇気づけられる。この人たちが長期・積み立て・分散投資の核になる」(柴山氏)
サービス自体は似ていても、環境の異なる日米のロボアド。国内では、まずは長期・積み立て・分散投資の旗振り役として、期待される。
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